コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2017年12月12日

Vol.74 経営者が知らない「モンスター飲食店」

1年って早いものですね。

毎年のことながら、またまた年末がやってきます。

大企業の不祥事が続こうが、9人も人を殺す猟奇事件が起ころうが、北朝鮮の問題が騒がれようが、平和ボケの日本は土日祝日に関係なく、今年も例年どおり盛り上がることでしょう。

心してがんばりましょうね。

ところが、悲しいことに、年末の恩恵などまったく受けずに、閑古鳥の鳴くお店があるのも珍しくありません。

もしかしたら、そういうお店は経営者が知らないうちに「モンスター飲食店」になっているのかもしれません。

そしてそれを経営者は気づいていなかったりしています。

つい先日、ある店のオーナーから「店舗を買ってほしいという話があるので、覆面で視察して欲しい」という依頼を受けて行ってまいりました。

細かい指摘をすれば、きりがないほどダメだしはありましたが、一番気になったのは店主がモンスターだったということでした。

働いている女性に「遅いんだよ!ばか!!」「お客さん待ってるだろーがボケ」と怒っていたかと思えば、

その後も「お前の脳みそはホントの味噌だろ。

100回聞いても話が浸かりっぱなし、動きに出るまで3年かぁ。ガハハハ!」とネチネチ続きました。

ホールのお客様に丸聞こえでも、気にしている様子もありません。

聞こえてくるこちらが嫌になって食欲もなくなってしまいました。

私だけが嫌な思いをしたわけではなく、その時いたお客様は全員同じ思いだったでしょう。

売上が下がることがあっても上がることはあり得ません。

売却するのも当然です。

モンスターが従業員や店長の場合はもっと多くの例があります。

営業中、来店したお客様(おそらく友人なのでしょう)相手に、「こんな店いつでもやめるよ、きついし給料安いし・・・」と延々、店の待遇の悪さを語っている場面に出くわしたことがありますが、私のテーブルに来たので「あなたも大変だね」とお愛想で言ったら、その後、延々と愚痴を聞かされるはめになりました。

それから2度と行っていません。

従業員同士が喧嘩している場面に遭遇したお客様の例も多いようです。

人手がなく忙しくイライラしている思いが仲間にやつ当たりなのかもしれませんが、お客様には関係ないことです。

遭遇したその方はこう言われたそうです。

「しばらく料理は出ないと思いますけどいいですか?」

良いわけがありません。

さっさと店を後にしたそうです。

「お客様に喜んでいただく」ことが《飲食店の誠実》と認められ繁盛につながるのです。

そしてそのことが自分の幸せにつながるはずなのですが、そこを気づかず、忘れ、自分の今の感情だけで行動してしまうモンスターになっていないか、もう一度自分を含め再チェックしたいところですね。

今年もあと僅か。

誠実に気合を入れて頑張りましょう!

石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』

“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。

井上奈々子の『食の豆々知識』

飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。

飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします