2016年9月13日
Vol.147 アルファ化米
9月1日は、防災の日。
毎年、この日(あたり)に、家族みんなで防災グッズの見直しをします。
いらなくなったものはないか、または必要になったものはないか。
そして、非常食の賞味期限を確認し、来年の今日までもたないものは、みんなで食べることにしています。
私が子供の頃は、非常食と言えば、乾パンしかなかったのですが、今は、5年も常温で日持ちする白米、お赤飯、炊き込みご飯、お餅...いろいろ増えました。
今回は、そんな非常食の最近主流となった「アルファ化米」について。
●アルファ化米ってなに?
アルファ化米と聞くと、なにやらとても科学的なにおいが...。
アルファ化米の「アルファ」は、お米に含まれる「でんぷん」の状態を表します。
お米のでんぷんには2種類あります。
生のお米には、腐りにくいけれど、まずく消化されにくい「ベータでんぷん」、炊飯した
ご飯には、おいしく消化されやすいけれど、腐りやすい「アルファでんぷん」。
アルファでんぷんは、不安定なでんぷんで、このまま放置しておくと、また生と同じ状態のでんぷんに変わってしまいます。
つきたてのお餅がカチコチのかたいおもちに変わるのは、この「アルファでんぷん」が「ベータでんぷん」に変わってしまったからです。
アルファ化米は、このお米のでんぷんの性質を生かして作られたものです。
一度炊いてアルファ化したご飯は、急速に水分を抜く(乾燥する)とベータでんぷんに戻らず「アルファ化」したでんぷんの状態を保ち続けます。
乾燥されているため腐りにくいことと、水分を加えると、熱を加えなくても柔らかくおいしいごはんができあがるということで、このアルファ化したお米は、非常食としてここ近年、重宝されるようになった訳です。
●アルファ化米をどうやって食べるのか。
お湯か水を注いで、お米が柔らかくなったらできあがりです。
商品によっても若干違いますが、水で60分、お湯で15分程度です。
中には、スプーンも入っていて、そのまま、食器などなしで食べられます。
非常時に、水だけでご飯が食べられるのは、本当にすばらしいこと。
ただ、やはり味は...。炊きたてのご飯にはかないません...。
非常食は、4人家族3日分を用意してあったので、その中で賞味期限の切れそうなアルファ化米が16袋...。
「これ、残りどうするの?」と家族に嫌そうな顔をされ...。
でも、捨てる訳にはいきません。
食べ物ですから。
そこで、普通にアルファ化米を炊いてみました。
無洗米のように洗わずに、そして、早炊きで(うちは土鍋ですが)。
!!...。
結構いけます(笑)。
ついでにお粥(雑炊)も作ってみました。
...いけます(笑)。
少し時間がたって固くなったけれど、食べられるお餅をもう一度煮て食べたような感じ?
もし、持て余している興味期限がわずかなアルファ化米があるようでしたら、一度お試しください(笑)。
●炒り玄米って知ってる?
1食分、非常食にして思ったことは、『1食ならいいけれど、これが何日も続くとなると、飽きてくるし、何よりも栄養がとれず、肉体的にも精神的にもまいってきてしまうな』ということ。
うちは、基本、日常が玄米食なのですが、非常食で玄米が食べられないかなということ。
それが、炒り玄米です。
厳密にいうといろいろあるんですが(笑)、簡単に言えば、玄米に塩を混ぜ、中華なべなどで15分くらい炒るだけ。
パチパチと玄米がはじけ、ふくらんで茶色く色づいたら出来上がりです。
玄米茶に入ってる玄米がこれ。
密閉の容器に移しておけば、部屋の温度、湿気などにもよりますが、半年はもちます(酸化するので、早めに食べた方がもちろんいいですが)。
これ、このままぽりぽりと食べられますし、水またはお湯を注いでふやかせば、玄米ごはんのようにもなります(もちろん、熱を加えた方がおいしいです)。
なんといっても、玄米は、抗酸化作用を持つビタミンEが豊富。
食物繊維も豊富。
病気から守るよう免疫力を上げ、また、便秘を解消してくれる、非常食にはもってこいの食材です。
非常食を試食するときには、必ず、非常事態を想定して試食するようにしています。
今回は、子供たちだけで、電気もガスも水道も止まってしまっている場合を想定。
懐中電灯やろうそくをつけ、カセットコンロでお湯をわかし、アルファ化米にお湯を入れる。
それが、どれだけ大変なことか。
ライターのつけ方がわからなかったり、意外に子どもには、アルファ化米の袋が開けづらかったり。
お湯を注ぐのが大変だったり。
みなさまもぜひ、やってみてくださいね。
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