コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2016年5月9日

Vol.143 えんどう豆

最近、色や形がかわいいのでお弁当によくスナップえんどうを入れます。

先日、グリーンピースをさやから出していたら、「これ(さや)、食べないの?」と。

「食べてみれば?」と言ったら、「かたっ。かみきれないや。

これお弁当に入ってるのと違うの?」と…。

また、別の日、「えんどう豆のスープよ。」と出したら、一口食べて、「え?グリーンピースじゃないの?」と…。

う~ん。むずかしいか…。

ということで、今回は、えんどう豆。

●えんどう豆、グリーンピースは何が違うの?

えんどう豆は、エンドウが学名のマメ科の野菜。

まず、大きく分けると「さや」を食べない品種と食べる品種に分かれます。

さやを食べない品種は、つまりは実えんどうとも呼ばれ、実(豆)を食べるために作られるものです。

熟した豆は、乾燥し、青えんどう豆や赤えんどう豆になります。

青えんどう豆は、うぐいす豆と呼ばれる煮豆や炒り豆、赤えんどう豆は、みつ豆に入っている赤い豆のことですが、そういっても、最近それも食べないのか伝わらなくなってきました…。

この未熟で柔らかな豆を収穫したものが、グリーンピースです。

最近はこれが主流ですね。

さやえんどうは、さやを食べる品種です。

昔から日本にある、さやを食べる絹さやや、アメリカから入ってきた、さやと豆の両方を楽しめるスナップえんどう(スナックえんどうとも呼ばれる)などがあります。

なので、厳密にいえば、えんどう豆の中に、グリーンピースは含まれるんですが、料理としては、同じものと扱われることも多いです。

特に日本料理は、グリーンピースと呼ばずに、えんどうの名前を出すことの方が多いようです。

また、乾燥のものを、えんどう豆、フレッシュのものをグリーンピースとよび分けることもあります。

そして、ほとんどの場合、グリーンピースのさやは固くて食べられません(笑)。

ちなみに、うすいえんどうは、えんどう豆の品種のひとつです。

ですが、これもグリーンピースと同じものとされていることもあり…。

ややこしや…。

●ツタンカーメンって何?

最近話題のツタンカーメンのえんどう豆。

見たことありますか?

エジプトのツタンカーメン王の墓から出土した豆の子孫ということらしいですが…。

その真意はともかく、その濃い紫色のさやは、なんだか、謎めいた感じがします(笑)。

このツタンカーメンのえんどう豆、中の豆の色は普通のえんどう豆と同じグリーンです。

食べ方もほとんど同じように食べられます。

ただ、豆ごはんにすると、炊きたては、薄緑の豆に白いごはん。

しかし、蒸らしてしばらく置いておくと、なんと、ご飯の色が赤飯のようにうっすら赤味を帯びてきます。

やはり、謎めいていますよね~。

ぜひ、機会があれば。

●えんどう豆は、鬱にいい?

栄養学的にも、ビタミンAやD、B1、カリウムやミネラル、そして、たんぱく質も豊富、と栄養ばっちりですが。

中医学的には、エンドウは、すべて「理気類」に属します。

理気類は、気をめぐらしてくれる食材、うつやストレスによる、ため息や脇・胃痛、げっぷや便秘、下痢などに効果があるとされています。

4月5月は、新生活も始まり、気疲れがたまったり、気がめいったりしやすい時期。

えんどう豆の旬は、3~6月。

なんて、この季節にすばらしい野菜なんでしょう(笑)。

ちなみに、豆苗は、えんどう豆の新芽だということ、知ってました?

ですから、豆苗も、上記の効果が期待できますよ。

そういえば、エンドウって、第3のビールにも使われているんですよね。

たんぱく質があって、爽やかな感じがよかったんですかね。

何にしても、旬のグリーンピースは、おいしいですよね~(←ただ単に、私の好みです)。

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