コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2016年8月8日

Vol.61 コスト削減は具体的な数字から始める

お疲れさまです。

サマーシーズン突入で、現場厨房、調理場で働くスタッフに限らず、客席を動き回る接客係の方々、夏場は体力の負担も倍増だと思いますが、体調管理、健康管理をしっかり行い、万全の笑顔と挨拶でお客様をお迎えしてくださいね。

今回は、気がつかないうちに、<水道、光熱費等の経費が上昇していた>ケースを取り上げます。

それぞれの現場で、各スタッフとの打ち合わせをしていると、水道、光熱費の把握について各自の意識が全くマチマチで、コスト意識がまったくなかったり、まるで一人暮らしの家庭レベルの経費負担程度の認識であったり、目に見えない消えて無くなる物の大切さに気づかなかったりと、スタッフ個人個人の認識に大きな開きがある事がわかりびっくりすることがあります。

この個人個人というのが問題で、しっかりと配慮しながら取り組んでいるスタッフがいるとそれが全スタッフに浸透していると思いがちですが、一部にはまったく無頓着なスタッフも存在します。

日々、節電やら節水と伝えていても、個人差や認識のズレがずいぶんあるようです。

一度、店長・マネージャーさんは、スタッフに光熱費について質問してみてはいかがでしょう、驚きの答えが返ってきますよ。

使用量や料金について、まったく無頓着だったり、一桁違ったりなんてざらですから、聞いてビックリするはずです。

コスト意識を高めるためには、ミーティングなどの際に、経費にテーマを絞り、対前年比や月別使用量など、具体的な数字を伝えていく事をお勧めします。

数字を具体的に伝える事で、事の大きさに気がつくようですから。

また、コスト意識でいえば、材料費の変動や内容量の変更にまったく気がつかない、ましてや端から価格を全く知らないなど、現場スタッフに関わらず、幹部の意識が低い、材料費に無頓着な人が多いことも見逃せません。

この業界、残念ながら人の定着率が低く入れ替えが頻繁ですから、常に基本の指導の繰り返しが必要なんです。

困った問題ですが、早めに手を打つ動きをしませんと、あれもこれも、ロスの山になります。

コスト削減は、スタッフ一人ひとりがムダを発見し、コスト意識を高く持ち続けることで大きな効果を生むもの。

いくらトップや幹部層が「経費節減」と口を酸っぱくして言っても、現場スタッフ一人ひとりに業務のムダに関する意識、コスト意識が浸透していなければ、効果はありません。

まずは「なぜ経費削減に取り組むのかを明確にする」「コストを具体的な数字で見える形にし、ムダを洗い出す」そして、「具体的な目標の設定する」「習慣化する」といった手順で行いましょう。

現状を把握し、コスト意識のなさを払拭することから始めなければなりません。

また、コスト意識でいえば、食材費の上昇に加え人件費の高騰等で、原価率の適正な維持も大仕事になっています。

正確な数字(原価率)を把握するためにもレシピの再作成を行いましょう。

売上げが伸びているといっても、 それを上回る費用がかかったのでは何の意味もありませんから。

まずは、基礎地盤をしっかりと固めること。

強い会社、店舗になる習慣を大切にし、取り組んでいきましょう。

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