2015年10月13日
その136 『事業主は木を植えし人では終われない』
「タバコをやめて酒を控えないとなあ。」
顔が黄色く見えたらしく、娘からなんだか真剣に身体を心配されて出た言葉です。
「あら、あなたって娘から言われると素直ねえ。
あたしなんかいつも言っているでしょ。
聞いちゃいないんだから。」
すかさず奥神様。
「ちっ、君はいつも吸うな、飲むな、食べるなの引き算なの。
まゆ(娘です)は、薬屋から1万円のサプリを買ってきてくれて飲みなさいと言ってくれてプラスなのね。
そりゃ聞いちゃうでしょ。」
「グーで殴るわよ。」
てなことがありまして、一応身体を気にしていたら、今度は「先生、お歳はいくつになられましたか?実は身近な方が突然・・・」なんて顧問先の社長からのご心配が。
ここのところ有名人の突然の訃報や病気のニュースが多くて、自分もですが皆さん敏感なのかもしれません。
ただ、気をつけるに越したことはありませんね。
『事業主は木を植えし人では終われない』
私の顧問先はもとより経営者は精神的にも肉体的にもタイヘンな毎日を送っています。
業者との交渉、スタッフへの気遣い、事業所周辺との付き合い、月末の経費支払い、給料の支払い、そしてそれらの原資となる売上げの増大に関するアイデア創出、利益確保のマネージメントと心も身体も休まることがありません。
うまく行ったかとホットすると今度は税金がやってきます。
節税しようと思うと最近の税理士の多くは、お国に顔を向け我々に背を向ける「払わせる税理士」となって説得してきます。
素直な社長は「社会貢献」という言葉のご褒美で納得せざるを得ません。
それで幸せなら問題ありません。
人は幸せを感じることが幸せなので「物欲・快楽」が必ずしも「幸せ」ではありませんからね。
ただ「だけど」という思いは残ります。
「世界一貧しい大統領」ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領は「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と語っています。
給料の大半を寄付し、月10万円の収入で生活している彼の言葉は説得力あるものです。
でもこうも言っています。
「私は国民に選ばれた大統領だ。
大半の国民の代表なのだ。
だから大半の国民と同じ生活をしなければいけない。」
素晴らしいですね。
使命感が伝わってきます。
ですが、我々は政治家ではありません。
事業家としてこの仕事を志しました。
そこには努力や忍耐に対して見返りがあると思って始めたハズです。
欲を持つことを悪いと思ってはいけませんね。
ただし、仕事が素晴らしくうまくいって認められても健康が損なわれては残念なことになります。
ノーベル物理学賞(ニュートリノ質量発見)の梶田隆章さんの話が出ると、「戸塚洋二」という方の名前がたびたび登場します。
後輩である梶田さんもその名前を口にします。
ニュートリノの質量発見で《ノーベル賞に一番近い日本人研究者》とされていた、梶田氏が学んだ戸塚洋二・元東大宇宙線研究所所長は66歳で7年前がんに倒れたのです。
梶田氏は追悼文で「非常にたくさんのことを戸塚先生から学び、いくら感謝してもしきれない思いです」と述べています。
まさに「木を植えし人」でしょう。
外側の何も知らない私ですが「この人にも何かあげて」と思ってしまいます。
事業を起こした以上、木を植えし人で終わらずその実を手にしたいはず。
ただ、仕事で成功しても、仕事のし過ぎでストレスがたまり、仕事そのものに支障をきたしては元も子もない。
健康を損ねてから後悔しても遅いのです。
健康な体と精神状態こそが人生を謳歌するには必要不可欠。
体の健康状態を必ず重要視し、それを保てるよう努力をすることは大切ですね。
だからこそ、息抜きが超大切であることを理解した上で、たまには趣味やプチ贅沢を楽しんだりして、心身のリフレッシュをはかりましょう。
仕事に全力を尽くし、健康に注意し、休みの日は存分に自由な時間を楽しみ、メリハリのある生活をすることが成功への秘訣。
石田はまず、健康診断行きます。
ではまた。
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