2014年10月7日
その124 アルバイト・従業員の防火意識の向上を図ろう
「ねえ、薬のんだ?」
「また、忘れているんじゃないの?」
朝食の後の奥神様の一言です。
石田は痛風の発作を数回経験しているのですが、そりゃあ、痛いのなんのって。
ところが治ると何事もなかったように普通の状態ですからやっかいです。
「ちっ、今、飲もうと思ったんだよ」
「そんな言い方しないで、黙ってスッと水が出してくれれば、薬に手が伸びて飲むんだからさあ」
「ウソおっしゃい!」
「言わなきゃ飲み忘れるくせに」
「ホントのど元過ぎればなんとやらっていうけどそのままね、困るのはあなたよ」
備えあれば憂いなし、とはよく言ったもので、飲み忘れで発作が起こっても、起こってしまった後ではどうにもならない、後の祭りです。
飲食店でもマサカの坂はあると考えて備えが必要ですね。
『アルバイト・従業員の防火意識の向上を図ろう』
先日、東京・銀座の飲食店などが入る商業施設で、焼き肉店から出火し、煙を吸うなどして男性2人が負傷した火災がありました。
出火原因は不明とのことですが、出火したのはダクト付近との情報もあるようです。
飲食店の厨房設備等からの火災は、調理中に火をかけたままその場を離れた結果、火災に至るというケースが大半を占めているそうですが、排気ダクト内にたまった油脂等に火がつき延焼が拡大するといったケースもみられるようです。
天蓋やグリス除去装置に油脂が付着している場合、火災拡大原因になります。
また、焼肉店にある無煙ロースターのダクトなどは油汚れがたまると、油は可燃物なので一定以上の温度になると発火の恐れもあるとか。
食中毒や火災などは、お店にとっては命取りになります。
これから段々寒くなるこの時期、火の元には十分注意したいところですね。
ウチは大丈夫だと油断せずに、今一度、火災予防対策を見直してみましょう。
店舗営業時間の長時間化やアルバイト従業員の増加により、防火教育が徹底されないことが多いことから、日常的に注意喚起を図るための対策が必要です。
例えば、燃えやすい紙類などは厨房に置かない、不要なものは片づけるなど、整理整頓を心がけるだけでも火災リスクの軽減につながります。
また、店外にむやみやたりに不要物やゴミ、段ボールを置かないなどの整理整頓は、放火対策にもなります。
店舗で起こりうる火災のパターンをイメージして、出火原因となりうる箇所をリストアップして、従業員と共有しておくことが大切です。
店内に設置してある火災警報器などの機器についても定期的な点検も重要ですね。
一定の経年によって交換が必要な機器もありますので、取扱説明書などを十分に読んでいざという時に使えなかったなんてことがないよう、適切な対応をしましょう。
日頃から火災に対する危機意識を持つには、以下のことに注意しましょう。
①調理中はコンロから離れない。
②店内・店外に引火しやすいモノをやたらに置かない。
③コンセント(特にほこり)を定期的にチェック
④定期的に厨房設備等やダクト等の点検、掃除を行う。
⑤店内の火元となりそうな箇所をリストアップ
⑥防火管理者を置き、防火体制づくりを行う。
⑦さらに、防火対象物点検資格を取得する。
⑧火災警報器、消火器など定期的な点検を実施する。
⑨消火器の使い方を覚える。
⑩万一の時は、迅速に「通報」「初動消火」「避難誘導」を行う。
飲食店は、お客様に安心してお食事を楽しんでいただくための場所です。
お客様の安全はもちろんのこと、従業員の安全を守るためにも日頃から防災意識の向上を図りましょう。
石田も痛風対策のため薬は忘れず飲むよういたします。
ではまた。
石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』
“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。
井上奈々子の『食の豆々知識』
飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。
KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』
実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。
飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします