コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2017年11月7日

その161 仕事には従順であるべきだと認識させる教育を

「私は日本に来てビックリしました。

テレビで犬がお父さんになっているなんて考えられません。」

「え、そんなに変ですか?

冗談とかユーモアと皆捉えていますけど。」

「私の国では父親が一番権威ある存在です。

それがこともあろうに犬に例えるなんて。」

彼女の国では人を馬鹿にする時、犬を例に挙げることが多いようです。

「キャンキャン騒ぐ、馬鹿な犬のようなトランプ!」と言ったどこかの怖い独裁者の国もあるのでちょっと納得したのでした。

日本でも「お前はお上の犬か?」なんて時代劇でも流れたりしますが、それは従順であるということからでしょう。

従順であることは何に対してかで、愛すべき存在になるのか、敵になるのかわかれるところですね。

【仕事には従順であるべきだと認識させる教育を】

社員・A/Pの中に、何に不満があるのか、動きが荒く、言動が卑しい人が現れることがあります。

即刻首(解雇)にしたいところですが、簡単ではありません。

明らかに変なのだといっても、本人は理解できず、自分は普通にやっているのに納得できない、不当だとか、原因が会社側にあるという主張をしてくるのです。

日本人だから、同じと思ったら大間違い。

常識はそれぞれだし、文化が違うと思うべきなのです。

そんな人間は一緒にやれないからやめてもらうというような簡単な問題でもなくなってきています。

乱暴な対処をすれば、後日、法律事務所から内容証明が届くなんてことは日常茶飯事になっているのが現状です。

ではどうしたらよいのでしょう。

普段の教育しかありません。

良い人材が欲しいのは皆同じですが、ブラック企業が多い業界だということが世の中に広まっていて、イメージが悪いので、ワガ飲食業界は良い人材が集まりにくくなっています。

ですから、自然と困った人が〈流れてくる〉業界になってしまっていることを認識しなければなりません。

大変かもしれませんが、教育は「挨拶」からと教える親の心境でなければいけませんね。

(ホントの親がやってないのです。)

さらに、困った人には「会社のタメ」「生活のタメ」「世の中のタメ」まして「社長のタメ」なんてまったく響きません。

あるのは「自分が気持ちいい」かどうかだけです。

ですから、目の前の仕事がやりやすいかどうかだけを判断するヒトだと考え、作業をする場所の改善・仲間との関係改善に注力し、本人とは「君が気持ち良く働くための考えをいつでも聞く」という接し方をし、目の前の仕事をしっかりやれば、君自身が安泰だということを説くのです。

ここまで書くと、なんだか人を馬鹿にしているようで、嫌な策士になれと言ってるのかと思われるかもしれませんが、わからない人は変わりません。

自分のことしか考えていませんから。

「あなたの仕事の向こう側には、楽しく明るいお客様の顔があるんだよ。

君の良い働きが仲間を勇気づけ、世の中を良くすることにもつながっているのだよ。

会社も良くなり、私も嬉しい、みんなで幸せになろう」といったことはわかってくれるレベルの高いスタッフと話しましょう。

『仕事に従順』という言葉には全く違った意味合いもあると思うのですが、それはまたの機会に・・・。

ではまた。

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