コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2018年4月10日

その166 利は元にあり、原価意識を持たぬものはプロではない

数カ月前は野菜の高騰で、鍋料理の回数は減り気味、生野菜のサラダの量も少なめだった我が家の食卓に、変化が現れている今日この頃。

「最近すごいねえ、サラダの山だねえ。

てんこ盛りじゃない!」

「そう、あなたの身体を考えると野菜が大事だからね。

いっぱい食べてね。

ドレッシングはかけすぎないようにね。」

「わかりました、ありがとうね」

(私は知っている、あれだけ高かった野菜が今は1/3になっていることを・・・)

「レタスまだあるから、おかわりしてね」

「うん、そだねー、ありがと」

(そう私は知っている、レタスが一番下がっていることを。

フフフフフ・・・)

心の声は、どこかの住宅メーカーのCM風に茶目っ気を出して(笑)

主婦の奥神様が食費を考え、毎日の買い物を吟味することは当然とはいえ立派な行動です。

いつもホントに感謝です。

皆様の厨房のスタッフは材料の単価、質に常に注意を払っていますか。

【利は元にあり、原価意識を持たぬものはプロではない】

私は顧問店のミーティングで料理長に「○○は仕入れ値はいくらですか?」という質問をよくします。

ほとんどの料理長はすぐお答えいただくのですが、たまに「ちょっと今わかりません」という答えがあったりします。

それが主力商品の材料であった場合は、その場で調べていただきます。

ミーティングが中断しても構わないと思うぐらい重要だからです。

重要なのは価格ではありません。

料理長が主力商品の原価をわかっていない意識の低さが問題なのです。

原価率が高くて苦しんでいる多くの店は、この原価意識を高めるだけで2ポイントぐらいは改善する場合があるのです。

料理長だけでなく、スタッフまでしっかりと原価意識を持つということは、確実に利益につながります。

もちろん原価意識というのは、仕入れ原価ばかりではありません。

量をシッカリ測る、検品を怠らない、保管状態を常に適正にする、極力在庫を減らす、ごみ箱のチェックを行う等々のことを念頭において仕事に望んでいるかということです。

つまりプロとして仕事をしているかということで、単なる作業員になっていたのではロボットと変わらないということでしょう。

人間として必要とされるのはロボットとは違う「意識を持つ」ということではないでしょうか。

いろいろな店で「意識のない」話をよく耳にします。

「○○を買ってきてほしいと頼んだら、箱ごと買ってきたんですよ。

2個で充分なのに・・・」

「肉のブロックを150gにカットするように頼んだら、ぴったり150gでカットしたものが並んでいたので褒めたんですが、ごみ箱を見たら、肉の切れ端がたくさん捨てられていたんです」

「マヨネーズのチューブにまだ1/10ほど残ってるのに、使いにくいからということで捨てられていました」

「オーダーミスが出たら、トッピングも飾りつけもそのまま全てごみ箱に捨てられてました」

「冷凍庫の奥に半年前の材料が眠ってました」

「業者の伝票の単価が間違っていることに気づかず、ずっと高く払ってました」

まあ、挙げたらキリがありません。

売り上げも大切ですが“利は元にあり”を今一度考えてみることも大事ですね。

ではまた。

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