コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2019年6月10日

その180 飲食店の温度管理は従業員任せではいけない

ムシムシする嫌な季節がやってきました。

「いやぁ、暑い暑い、エアコン入ってる?」

外から帰り扇子で仰ぎまくっていると、

「ちょっと、風こっちに来ないように仰いでよ。

エアコン入っているのに、そんなにバタバタ煽られると具合が悪くなるわ」と奥神様が。

「悪うございました。

ご迷惑にならないように仰がせていただきます。」

「なにもそんな隅で仰がなくても、ホントいやだ。」

「・・・。」

いつものしょうもないやり取りでございます。

体感温度が違う者同士ですから仕方ありませんが、お店の温度管理はどうしていらっしゃいますか。

店舗の温度管理については、どうも無頓着なお店が多いようで。

【飲食店の温度管理は従業員任せではいけない】

空調設備がしっかり備えられているショッピングセンターやデパートなどのお店ではあまり起こりませんが、街場の店舗だと温度が適切に管理できていなくて、特に冷房を使う時期は、お客様から「寒い」といったクレームが入ることがよくあるようです。

すぐに対処できる軽いクレームなので、問題と考えていないお店も多いかもしれません。

しかし、毎年、冷房を使用すると、お客様から「寒い」と言われるのでは、「親切」「やさしさ」が大切なサービス業として胸を張れませんね。

環境省はクールビズで「冷房時の室温28度」を推奨していますが、この温度設定は何の科学的根拠もなく、なんとなく決めたということなので基準にはなりません。

(まさか、それに合わせている方いませんよね?)

昔から<夏は24度~26度に設定>というのが飲食店の基準と言われています。

明確にそれを指示していれば良いのですが、従業員に任せているとかなり低く設定してしまう場合があります。

皆さん仕事をしているわけですから、その体調体感で設定してしまうのです。

外から入店したばかりの時はいいのですが、ひと時が過ぎると、寛いでいるお客様にはきつい寒さになってしまうわけです。

その状態で表に出ると寒暖の差が激しく体調にも影響を与えます。

それが嫌な方はクレームをいれるのです。

プロのサービスマンは、お客様の様子を見て感じ取ります。

“上着を着始める”“腕や手をこする動きをする”“寒くない?と会話に出す”“体を丸くする”等々、これらをヒントにお声がけをして確認し、風向が問題であれば席を変えて差し上げる、温度を上げる旨を申し上げて少しの時間をいただく、すぐの対処が必要と感じたらひざ掛けをお持ちする等の対処をするのです。

客席には温湿度計を設置し、こまめにチェックすることも必要です。

もちろん、根本的にエアコンをコントロールすることが重要ですが、最新のものは省エネでAIによる調節も優秀ですから、入れ替えの時期なら思い切って導入するのもありですね。

私事ですが、先日、有名店で、「寒くて我慢できないので温度を上げてください」とお願いしました。

食事を終えて外に出ると涼しく、思わず「寒!なんでエアコン入れているんだ」と口にしてしまいました。

無頓着に仕事をしていると、皆さんのお店もお客様に居心地の悪さを感じさせているかもしれません。

お気をつけください。

ではまた。

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