コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2020年8月11日

その194 安心・安全の見える化に力を入れること

「今日は外食しますかね。」

「いいけど。

いい店は混んでるから心配だわ。

3密はダメでしょ。」

「今はどこもそんなに混んでないよ。

空いているから、かえって安心だぞ。」

「でも、ちゃんとしてるかどうか心配だわ。」

「混んでりゃ心配、空いてても心配、どうすりゃいいのよ、飲食店。

可哀想すぎるだろ。」

外食しようと思っても、結局、家飯に落ち着くご家庭が多いのではないでしょうか。

GOTOトラベルキャンペーンは今のところ、尻すぼみで効果はたいしてなかったようです。

この後控えるGOTOイートもどうなることやら、期待薄ですね。

何よりマスコミ報道による偏った「怖い怖い病キャンペーン」による影響は大きいですね。

踊らされる庶民の右往左往はいつまで続くんでしょうか。

勿論用心することに異論はないのですが。

【安心・安全の見える化に力を入れること】

新型コロナ感染は収束の兆しもなく、いくつかの都市から非常事態宣言が出てしまう現実は、もう第2派と言ってもいいでしょう。

そんな中、入店時にアルコール消毒をお願いする、検温する、席数を減らす、パーテーションを置くなど、「安全性」への取り組みを徹底することにより、「安心」のイメージを付加価値に変えてアピールする店が増えてきています。

1年前を思い出してみましょう。

マスクをしての接客はクレームの対象になりました。

大きな声でハキハキとした挨拶や応対は、今は飛沫が心配されます。

おしゃれなカウンター席はスクリーン設置や隣席との間にパーテーションが置かれて台無しでも、安心されます。
 
人間というものは、「社会的動物」とも呼ばれます。

人同士が集まろうとする傾向があるわけです。

だからこそ飲食店も繁盛すればするほど人が集まってくるわけです。

また、人同士の距離が近い状態、多くの人がいっしょに集まる状態(密)などを好む人が多いのも確かです。

ところが、今や、この「密」愛好が普遍的であるかどうか疑問に思えてきたのが現状なのです。

今回のコロナ感染関連騒ぎで「3密回避」や「ソーシャルディスタンス」の必要性が繰り返し強調され、テレワークが推奨されているうちに、人と「密」であるよりも、「非接触」的に距離を保つほうが快適であると感じるようになった人、その快適さに気がついてしまった人が徐々に増えているようなのです。
 
レストランや居酒屋で詰めて座らされると不快に感じる客、職場の宴会が苦痛という人、プロ野球やサッカーの試合を応援なしで観る方が快適だというスポーツファンなど、ソーシャルディスタンスが要求される期間が長引くほどに、徐々に「非接触」がスタンダードになってくるかもしれないのです。

飲食業界は新型コロナ感染予防の対策の他、消費者の心理的変化に対しても対策を講じなければなりません。

そこで「安心安全の見える化」が営業のテーマに欠かせぬものとなるのです。

どんなに店内で安全対策を講じていてもお客様に伝わらなければ意味がありません。

先日、ワタミがコロナ対策業態を始めたとのことで、早速視察に行ってきました。

勉強になることが多々あり、また、突っ込みどころも満載でしたが、その話は皆さんに直接するとして、ここでは一つだけ、思わずうなったことがあったので紹介します。

それは店舗外観にありました。

横壁に大きな大きな懸垂幕がかかっていて、そこに書かれていたのが「4分で客室全体の空気が入れ替わります」というものでした。

正に安全をアピールして安心を生み出そうとしているわけです。

かく言う私もなんだか安心して入店することができました。

安全のアピールは何も懸垂幕だけではなく、ホームページを使うもよし、SNSで発信するもよし、広告宣伝の時に併用で発信するのもありでしょう。

安全対策がQ・S・Cと同格の今、欠かせない繁盛のカギとなったことを認識すべきでしょう。

いやはや、また一つ大変になった飲食業界です。

ではまた。

石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』

“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。

井上奈々子の『食の豆々知識』

飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。

飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします