コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2021年4月12日

その202 キッチンカーは落とし穴を理解して取り組もう

「飲食店かわいそうね。

時短要請があったり、解除されたり、また時短になったり。」

「そうだね、振り回されているなあ。」

「新たな対策は何かないの?

あなたの仕事でしょ。

要請で疲弊している店舗も多いでしょ。」

「わかってますよ。

だからと言って安易に手を出すと墓穴を掘ることにもなりかねないの。

お店ごとに話し合ってますよ。」

「テイクアウトやデリバリーしかないのかしら・・・。」

「もう、皆さんやってますよ。

ここからのもう一手を模索しているのさ。」

まあ、奥神様も心配してくれてありがたいことです。

そんななか、数件相談されたのが〈キッチンカー〉についてです。

どう考えるべきでしょうか。

【キッチンカーは落とし穴を理解して取り組もう】

政府が大阪、兵庫、宮城に続き、東京、京都、沖縄に「まん延防止等重点措置」を適用しました。

飲食店に午後8時までの時短を命じ、拒否した場合は20万円以下の過料が科されます。

飲食店に対する協力金などの支援は、まだ決定していません。

今回は、規模や売上高を考慮に入れる様なので不公平感は、少しは是正されそうです。

コロナ禍で、飲食店はかつてない大打撃を受け、ストレスは限界にきています。

新たな展開を模索し始める経営者が現れてくるのは仕方ありません。

そんななか、前年から注目され、増殖しているのが〈キッチンカー〉です。

素人が「こんな時代のチャンスだ」などと参入して、都内ではもう3500台ほども稼働しているようです。

私のところにも素人の参入相談が数件舞い込みましたが、事業計画を聞いた後、「大きな夢は持てませんよ、おやめなさい」といずれもお手伝いできないとお断りしました。

投資額が小さいので、参入しやすいのでしょう。

ですが、キッチンカーには、数々のクリアしなければならない課題があります。

まず、日本には道交法という法律があります。

勝手に商売をすれば通報されるのがオチです。

これだけ増えると、販売場所は簡単には確保できないでしょう。

また、週1回休んで25日営業なんて事業計画を見ると笑ってしまいます。

営業は天候にも左右されるでしょう。

場所によっては祝日、お盆、正月、GWは商売にならない日もあったりします。

更に、今年の6月1日からはHACCPの導入がキッチンカーとはいえ義務付けされるのです。

まあ、ここでは課題はこれくらいにしておくとして、今、店舗を持っているプロの方々に関してはコロナ対策の手段として導入も〈あり〉だとも思っています。

現状の店舗の売上の補填営業として計画的に行うことは有効な手段になり得ますし、アフターコロナの営業手段としても残っていくものだと思うからです。

後は現状(コロナによる窮状)における投資としての判断をどう決断するかでしょう。

先日、ちょっと面白いニュースを目にしました。

ハウス食品が飲食店向けにキッチンカーの導入を支援するサービスを始めたというのです。

車両や販売場所、商品の仕込み場所を用意し、希望する飲食店に貸し出しを行うそうです。

商業施設や駐車場のオーナーと契約し、提供してくれるということですから、期待が持てます。

1日にかかる費用は、売上の25~35%ということです。

興味のある方は動いてみましょう。

ハウス食品も業務用調味料・食材の売上が減少していることの再活性化の手段であることから、良い協力者になるかもしれません。

キッチンカーを巡ってはセブン&アイHLDGS.も参入を始めており、大手が動き始めていることを考えると、参入にはできるだけ強い味方と手を組むことがひとつの手段といえるでしょう。

あの手この手で生き残り手段をいろいろと考えて進んでいきましょう。

辛抱で励んでいただきたいと思います。

負けないでくださいね。

ではまた。

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