2021年12月6日
その210 単なる真似は、けがの元
コロナ禍が続くこと2年近く、自宅で食事をすることが多くなった今日この頃、最近、体重が増えてしまった私に、奥神様が口うるさくなってきました。
「なんなの、そのお腹、何とかしなさいよ。
太りすぎって、健診でも言われたんでしょ。
まるで大黒様だわ。」
「そうか、神様になってんだったら、いいじゃないか。」
「バカなの!?姿かたちを、言ってるのよ。
食事制限ね、死ぬわよ。」
「いやぁ、料理の上手な君のおかげで食いすぎるからだね。
僕のせいじゃないな。」
「ホント嫌だ、この男・・・はぁ。」
もちろん健康のため、肥満は敵だというのは私も充分わかっていますので、気をつけなければと反省をしておりますが、コロナ禍、私だけでなくリモートワーク、巣籠生活様式の増加などで、肥満だけでなく、身体の変化に、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
もう一度生活のあり方を考えなくてはいけませんね。
ただ、変化と言えば、メディアの飲食店の取り上げ方もチョット変化しているようで・・・。
【単なる真似は、けがの元】
緊急事態宣言や時短要請があって、飲食店も通常の営業ができない時が続きました。
まともに営業していれば、商品開発も販売促進活動も計画的にできるのですが、対症療法で凌いでいるうちは、なかなかヒットやホームランは出現しません。
メディアも材料探しに苦労するのでしょう。
インパクトのある簡単な法則にハマっていますね。
それは〈ビッグボリュームの法則〉〈凄辛法則〉に普段から特化している店を取り上げることです。
サプライズ感はありますし、絵になるのも間違いありません。
確かに視聴率も稼げるのでしょう。
「隣の店が先週〈○○のTV番組〉に取り上げられたんですよ。
すごいボリュームであんなの誰が食べるんだろうと思ってたんだけど、1週間たっても、まだお客さんが来てるみたいなんですよ。
ウチもボリューム考えた方がいいでしょうか?」
私の答えは間髪おかず、「おやめなさい。
単なるマネは怪我しますよ」です。
ご覧になった方も多いと思いますが、ほとんどの商品がありえないほどのボリュームで、お客さんが驚く映像が面白おかしく映し出され、経営者の「お客さんが喜んでくれるから、それを見るのがうれしいんですよ」というコメントが流れ、スタジオのタレントが「えらいなあ」「優しいなあ」とかぶせます。
確かに凄いですが、飲食店がホントはそれぐらいできるのではないかと、勘違いするお客様が、居たら困ったものです。
それらの店のほとんどは、自宅店舗であったり、家賃がかなり安い物件であり、ましてや個人の家族で運営している店ばかりで、店主は高齢者が多く、年金をもらって生活はそれで賄える方がほとんどです。
経営ではありません。
心意気は認めますし、思いに嘘がないのも事実でしょう。
生きがいにもなっている彼らに異議を唱える気は全くありません。
問題は、ことさらエライ、優しい、素晴らしいと取り上げることだと思うのです。
私の知っているお店は、取り上げられたことで、普段と違うお客様が押し寄せ、こなすことが辛くなって、営業をやめてしまったり、ホントの常連さんをお断りする羽目になった店があります。
同様の店ばかり取り上げるようだと、同業者は比較されることを迷惑だ、邪魔と思い、当事者は運営上困るハメになるという事態が起きているのです。
メディアが飲食店を取り上げてくれるのはありがたいのですが、もっと飲食店の本質的なところを取材してほしいものです。
まあ、これもコロナの弊害かもしれませんね。
早く収束してほしいものです。
負けないでくださいね。
ではまた。
石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』
“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。
井上奈々子の『食の豆々知識』
飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。
KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』
実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。
飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします