コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2022年3月7日

その213 必要とされる店、利益をあげる店はいつも存在する

テレビのニュースを見ながら奥神様が声をあげました。

「初任給30%アップですって。バンダイってすごいわね。社員の皆さん、やる気が出るわね。」

「30%アップって言っても、基本給が上がるだけだよ。

ボーナス査定は成果基準が見直されて、実質の年収は10%?上がるかどうかなんだよ。

儲かってる大企業でもそんなもんだよ。

中小零細の経営者はこういう報道は苦々しく思ってるはずだよ。」

「儲かってる企業がこんな風にすることが凄いって言ってるの。

あなたの会社は何%アップなのかしら?」

「・・・。」

「あらっ、黙っちゃった。」

まあ、黙るしかないわけですが、ノー天気に政府の意向に応えて、賃金を上げるわけにはいきません。

コロナ禍は長引き、未だ収まっていません。

様々な値上がりの波も押し寄せています。

そこにロシアの侵略戦争が始まりました。

これからどんな影響が出るのやら・・・。

【必要とされる店、利益をあげる店はいつも存在する】

新型コロナの感染状況は、〈まん延防止措置〉延長の流れとなり、東京は1万人をなかなか下回ることなく、我々飲食店に影響を与え続けています。

街を歩いていて、「あれ、ここも閉めたのか」と呟くことが度々です。

居酒屋チェーンのワタミが業態転換ではなく、44店舗を閉店すると発表しました。

新潟県の株式会社原価率研究所が2月4日、千葉地裁から破産手続開始決定を受けたと発表しました。

原価率研究所は2015年に設立。

カレーを200円で提供する店を経営し、一時は新潟市内に複数店舗の運営を行っていました。

FC化も進め、東京でも出店していましたが、うまくいかなかったようです。

マスコミが当初、スゴいスゴいと騒ぎましたが、「あれはどう考えても儲かる訳がない。

破綻が見えるから手を出したりマネしちゃだめよ」と言っていたワタシの言う通りになりました。

東京商工リサーチによると、採算的に厳しく、財務内容も脆弱な体質だったとみられています。

そりゃそうです、200円ですよ。

毎日300人来たってギリギリの経営でしょう。

中にはスケールメリットが実現できれば素晴らしいビジネスモデルだ、などと語るヒトがいましたが、スケールメリットって、三桁の億の売上がなきゃ笑えないんですよ。

というわけでなるべくして破綻したのでコロナとは関係ありません。

飛び込んじゃいけないレッドオーシャンに飛び込んだだけです。

そう考えると、破産するところの理由はそれぞれですが、やはり、特徴というか、原因があります。

分不相応〈ノーマーケティング〉な家賃の店舗で大家のために店を出したような店、カッコつけて初期費用をかけすぎた店、キラーコンテンツというお客様を呼ぶ商品が作れなかった店、絆のある常連ファンを作れなかった店、協力的な従業員がいなかった店、原価意識が持てなかった店、新しい売り機会・場を探さなかった店・・・。

なかには努力したけど刀折れ矢つきたお店もあったでしょうが、何かが足りなかったのかもしれません。

それが証拠に、地域に根差し相変わらずお客様を呼び続けている店が顧問店ではいくつも存在します。

マスコミは悲惨な状況ほどヒトの関心を引くことがわかっていますから、そちらばかり取り上げていますが。

地域によっては、優良店でもひどい状況になっている店もあります。

その方々には努力が足りないなどと言っては失礼すぎることわかっていますが、それでも生き残っていただきたいので、もうひと踏ん張りお願いしたいと思います。

起死回生も夢ではありません。

こんな時なのに3年で350店舗展開、全店黒字という店もあるんですから、希望は捨てないでください。

負けないでくださいね。

ではまた。

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