コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2024年7月10日

その241 スポット販促を考えよう

「新紙幣になるわね。

なんで変えるのかしら。

キャッシュレスが増えているのにね。」

「偽札防止だよ、20年経っているからな。

まあ、多少の経済効果もあるかなぁ、盛り上がっている街もあるみたいで、渋沢栄一パンなんてのが売れてるらしいよ。

100万束の厚さで札の刻印が表面にあるんだって。

3つ買うと300万円だ!」

「何それ、私は本物がいいわぁ。

そのパン美味しいのかしら?」

「中身の餡はサツマイモらしいよ、札だけに!

ギャハハハ!」

「・・・。」

アホな会話は置いとくとして、前例から、国民のタンス預金(60兆円)が4.5兆円動き出すようなので良いほうに出ればいいなと思いますね。

でも、飲食業界にとっては複雑なこともあります。

券売機で営業している店は販売機のシステムを変えなくてはいけません。

発券機の更新には1台、十数万~数十万円のコストが発生します。

いくつかの自治体では、中小店舗向けに新紙幣対応のための補助制度を利用できるところもあるようですが、今回は少ないようです。

盛り上げているメディアを苦々しく思っている方も多いことでしょう。

ただ、社会マインドが上がっているときは、それを販促に利用するのも我々の商売ですから考えなければいけませんね。

【スポット販促を考えよう】

我々の業界における販売促進活動には《レギュラー販促》と《スポット販促》があります。

前段にあった〔渋沢栄一パン〕はまさに社会マインドに合わせたスポット販促と言えるでしょう。

今年は間近にオリンピックも控えています。

社会マインドが盛り上がることに便乗する商法は自店をアピールする絶好の機会でもあります。

スポット販売促進活動の考え方・手法を簡単にまとめてみました。

ご参考に。

スポット販促は季節ごとに行われたり、その時々の社会的イベントに合わせて行われるものの他、お店の周年記念などにあわせて、お客様に感謝を表現する機会としてのサービスイベントなどが挙げられます。

季節ごとに行われるものとして、最も多いのは「季節限定商品の提供」です。

旬に合わせた商品提供はお客様の心をつかみやすく、その季節では最も多くの発注を記録する場合もあります。

また、季節ごとに店内ディスプレイを変えることで、お客様に楽しんでもらうことを実践しているお店もあります。

深大寺「門前そば」では、毎年桜の季節に本物の桜の木を飾ってお客様の好評を得ているのも一例です。

社会的イベントはバレンタイン・母の日・父の日・クリスマスに特別メニューやキャンペーンを仕掛けるのは定番化しているといってもよいので、行わない店は遅れているといってもおかしくありません。

また、スポーツイベントによって社会マインドがエキサイトするのは、オリンピックやサッカーワールドカップなどですが、パブリックビューイングイベント開催のほか、日本の成績によって価格割引などの実施も効果が上がるでしょう。

そしてこれらの販促は準備が重要なので、本来2か月前から企画を検討しなくてはなりません。

その意味でも年間販売促進計画が組まれていることも必須だと言えるでしょう。

一般的には売上の3%~8%程度が飲食店の販促費用の目安とされています。

小規模な店舗の場合、月額数万円〜10万円程度、中規模以上の店舗では数十万円かけるケースもあります。

年間通した販促計画から費用を考えておき、予算内で最大限の効果を発揮できるようにしましょう。

では、また。

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