コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2024年12月9日

その246 あたりまえという思い込みが難事を生むことを忘れてはいけない

「デパートで千円のクリスマスガチャやっていたわよ」

「へえ~、何が当たるかわからないものに、よく千円も出すね。

クリスマスに浮かれる庶民は餌食だな」

「レストランの食事券とかが入っているんですって。

商品券もあったわよ」

「ハーン、新手の集客企画だな、みんな餌食だな・・・。」

「はあ?ホントひねくれた性格ね。

私の旦那ガチャは、どっちなのかしら、と思っちゃうわ」

「あらっ、ボクの奥様ガチャは当たりだと思っています!

大当たりぃ~!」

「・・・」

まぁ、いろんな人生ガチャがあるようですが、皆様、いいガチャが引けますように。

ところで飲食店の我々は、お客様に選んでいただく立場ですから、ハズレだと言われないようにその経営は、いつも見直し、検証、改善、開発、挑戦をしていかなくてはなりませんね。

【あたりまえという思い込みが難事を生むことを忘れてはいけない】

先日、師走ということもあり、顧問先の社長からのお誘いで、女性スタッフともども会食に行ってまいりました。

社長も初めてだったその店は、雰囲気も良く、入り口の料理写真はとても美味しそうな店でした。

ところが、まず、最初の戸惑いが・・・。

「ここの従業員、なんであんなにブスッっとしているんでしょうか」

入店して席に案内してもらい、おしぼりを提供されましたが、案内もおしぼり提供のスタッフも不愛想です。

メニューを見ながら、注文しようとすると、「注文はそちらのQRからお願いします」とさっと席から離れていってしまいました。

「QRやタブレットでの注文が増えたね」と話しながら、注文した飲み物が運ばれてきた時、2つ目の戸惑いが・・・。

ノンアルコールビールを頼んだ女性スタッフが飲もうとした時、グラスに口紅がついていることに気がつきました。

当然ながら、それは替えてもらおうということで、従業員を呼んで伝え、新しいものに変えてもらったのですが、持ってきた際に、「グラスを新しくしました。

中身はそのままでいいですか?」と言うではありませんか。

驚きです。

さすがに同席の社長が笑いながら、「そりゃ、ダメでしょう、中身がそのままって。

この対処は、あなたが考えた結果ですか?」

「いいえ、そう聞いてこいと・・・」

呆れて口があんぐりです。

「中身も替えてください。

新しいのを持ってきて、お金は払いますから!」

社長が切れ気味に言うと、従業員さんは、新しいノンアルビールとグラスをもって現れ、「すいませんでした」とテーブルにそれを置いて去っていきました。

ところが3つ目の戸惑いが・・・。

気を取り直して、乾杯をし直そうと、新たなノンアルコールビールをグラスに継ごうとしたところ、「おいおい、これも口紅付きだ!」

そうなんです、新しいグラスにも口紅が付いているではありませんか。

もう、びっくりして、女性スタッフは固まっています。

さすがに、店長を呼んでもらい、事情を説明しましたが、そうなると私ももう止まりません。

「対処がひどすぎます。

洗浄機の使い方も知らないんじゃないですか。

前洗いや洗浄後の磨きがいらないと思い込んでいませんか」と、洗浄機の使用方法まで語ってしまいました。

洗浄機は綺麗になるものとの思い込みが生んだ事件でしょう。

我々も気をつけなくてはいけませんね。

そんなこんなで、落ち着かないまま過ごしていると、従業員の方がやってきて、「最初に申し上げたように当店は2時間制でございますので、そろそろよろしいでしょうか」と。

《はあ、伸ばせや!

お前らのためにどんだけ時間を使ったんじゃ》という言葉をグッと飲み込んで店を後にしたのでした。

その後、別の店で飲みなおしたのは言うまでもありません。

店ガチャに大ハズレの一幕でありました。

では、また。

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