2025年4月9日
その250 飲食店が食中毒クレームを受けたときの適切な対応とは

「あら、賞味期限切れてる、使えないわ」
「もったいないこと言うなよ。
1~2ヶ月、大丈夫だろう」
「ふーん、じゃ、食べてみてよ、ほれっ」
「オレは、リトマス試験紙か!」
「ハハハ・・・」
家族の間ではオヤジが腹をこわすのは自己責任ですが、飲食店を経営していると、避けては通れないのがクレーム対応。
特に「食中毒の可能性がある」と言われたときは、お客様の健康に関わる問題の為、慎重な対応が求められます。
今回は、実際の会話例を交えながら、クレームを円満に解決する流れをご紹介します。
【飲食店が食中毒クレームを受けたときの適切な対応とは】
お客様から、「昨日そちらで食事をしたのですが、夜中からお腹が痛くなって…。
もしかしたら、食中毒かもしれません」
こうした連絡を受けると、焦る気持ちが出てしまいますが、まずは冷静に対応することが大切です。
「それは大変申し訳ございません。
お身体の具合はいかがですか?」
最優先すべきは、お客様の体調を気遣うこと。
決してすぐに「当店の食事が原因ではありません」と否定しないことがポイントです。
「まだ少し気分が悪いですが、病院には行っていません」
「ご体調がすぐれない中、ご連絡いただきありがとうございます。
大変お辛いことと思います。
まずはお医者様の診察を受けていただくのがよろしいかと思います。
こちらもすぐ調査を進めさせていただきます」
このように、すぐに謝罪するとともに、冷静に対応策を伝えます。
きちんとした調査をすることで、お客様の不安を解消し、店舗の潔白を証明できる可能性もあります。
店側がすべき対応
お客様と話したあとは、店舗内で次のような対応を取ります。
1. スタッフへのヒアリング
➡ 体調不良の報告がないか、食材の管理状況に問題がなかったか確認する
2. 食材の保存状況をチェック
➡ 仕入れ・保存・調理過程に問題がなかったか振り返る
3. 他のお客様から同様の報告があるか確認
➡ 同じ日に食事をした他のお客様の体調に異変がないか、情報を集める
お客様へ連絡 【誠意をもって説明する】
店舗側で確認を進めた結果を、お客様にしっかりと伝えることも大切です。
「その後、お身体の具合はいかがでしょうか?」
「おかげさまで、だいぶ回復しました」
「それは安心しました。
当店としても、調査を進めさせていただきましたが、食材の管理や調理過程に問題は見つかりませんでした。
ただし、ご心配をおかけしたことに変わりはございませんので、今後もより一層、衛生管理に努めてまいります」
この時、「うちのせいではない」と言うのではなく、「調査の結果、問題は見つかりませんでした」と事実を伝えるのがポイントです。
「そうですか。
もしかしたら、他の食事が原因かもしれませんね…」
「何よりも、お客様が回復されて安心しました。
もし今後、何かご不安なことがあれば、いつでもご相談ください」
こうして、しっかりと誠意を伝えることで、お客様との関係を損なわずに対応できます。
冷静かつ誠実な対応をすれば、大きなトラブルを防ぐことができます。
万が一のクレームにも、誠実に向き合うことで、お客様からの信頼を守り、より安心してご利用いただけるお店づくりにつながるはずです。
では、また。
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