コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2006年9月11日

その27 ひと手間かけた評価

先月顧問店で大ヒットが出ました。
数ヶ月前恒例のミーティングで宴会獲得増加策として「タイの尾頭付きお造り」をご予約のお客様に無料サービスという案が出ました。地酒を1本サービスや宴会写真現像サービスなどと比べると手間のかかるサービスで調理場は嫌がるものです。

ところがこの案は調理場から出てきたのです。〈どうしたらお客様が喜ぶか、いい店と評価してもらえるか〉に主眼をおいてミーティングをしてきた結果がこのヒットにつながったのだと思うのです。

原価を考え同じぐらいでできるなら手間をかけた分効果は絶大だということでしょう。お客様は努力をちゃんと評価してくれるということですね。

 先月銀座の有名店から依頼があり店舗チェックで訪問しました。残念ですがオーナーの想いはまったく店からは感じられませんでした。オーナーは「いい店でありたい、お客様によい評価をいただきたい」といっておられましたが、どうも社員に対しては間違った接し方をしているようです。

商品はあとひと手間、材料の吟味が足りず、調理法味付けもイマイチです。サービスもプロのあしらいが要求される価格帯の店であるにかかわらず、悪くはないのですが、素人丸出しの、教育がまだしっかりされていない事がわかるものでした。

なぜこうなってしまうのでしょうか。責任は当事者であるスタッフの勉強不足もありますがやはり社長の責任ですね。ミーティングなどで経営者はどうしても売上のこと利益のことが優先で数字の話をしてしまいがちです。売上について意識してもらうために直接的に売上や原価の数字を話しても人はついてきません。

お店の“売り”がはっきりしているのならその担当者調理人とは料理の追求を、ホール担当者とはサービスの追及を今以上の評価をいただくためにはというテーマでミーティングしましょう。そしてその評価が売上なんだと教えましょう。

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