2007年1月9日
その31 商品力
景気が拡大して今後の見通しとしても良さそうだと大企業の偉い人たちがマスコミに答えている姿を見るたびに「ホントデスカ」と心で答えてしまう私です。大企業の中でも役員は90%以上の報酬アップ、一般社員の報酬は5%前後のアップでしかないそうです。企業内格差ですね。
中小零細企業は逆に役員が一般社員よりアップ率が少ないそうですが、業績が大して上がらず役員恩恵が少ないということでしょうし、一般社員にしても中小零細は元が少ないのですから景気が良い感触にはならないのでしょう。企業間格差ですね。
飲食店経営における業界プラス要因は個人消費の上昇ですから、まだまだ【景気に頼る経営はダメ】を合言葉に『ウチダケ経営』を進めないといけませんね。”自分の店にだけある魅力を武器に自分の店だけはお客様がいっぱい”を実現する魅力造りを商品で、サービスで、働く人間力で、店(箱作り)で,販促で努力していくことです。
「では何を一番に考えなくてはいけませんか?」と聞かれると私はいつも〈商品力です〉と答えます。総合力で飲食店は繁盛しますが、核になっているのが商品です。商品がいい加減ではサービスや店作りがどんなに素晴らしくても一時のごまかし繁盛になってしまうのです。
此処のところ一斉を風靡したような店の閉店を見かけると寿命が短いのは決して時代が変わったとか、客層が求めるセンスが変わったとかの問題だけでは無いような気がしています。この仕事をしている関係上、話題になるお店にはなるべく出かけていますが多くの店がまた行ってみようと思う商品力がありません。
そのような店は5年が目安でどうも消えているようです。経営者が、役目が終わったとかビジネスは変化だとか言い訳を巧くしていますが、5~6年で役目も何も無いでしょう。儲からなくなったからやめたのです。核になる商品力に対する努力がない”つけ”なのではないでしょうか。
逆に目立たずとも自然と地元に愛されもう30年以上も続いているような店を見ると正にその核を大事にしているのがわかります。先日もその社長が1000kmの道のりを駆けて見つけてきた食材をいただきましたが絶品でした。「お客様の笑顔の元を作るための美味い商品作りのために手間をかけるのは、この商売をやっていて当り前のことですよね、センセイ」とその社長は言います。そしてその核を更に価値ある物にするためにサービスや販促、クレンリネス、スタッフ教育と総合力の向上の為に努力をしています。
こういう店をお客様は愛しつづけるのでしょうね。
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