2007年2月13日
その32 開店景気
今年、顧問店を訪問し始めてから、すぐに2店舗の社長から「近くの○○が閉店しましたよ」という声が聞こえてきました。
確かに街中でも「あれ、ここも閉店か」という感じで、暮れを節目に閉店する店が目立つ時期ですが、いつもながら寂しいものです。
開店景気
閉店に追い込まれる店があるかと思えば、開店景気に沸き立つ店もあります。
東京新宿にオープンした「krispy kreme」の前を通りかかってビックリです。
店内に入るまで40~50分かかるのではないかというような行列です。
この店はアメリカからやってきたドーナツ&コーヒー店ですが、売りはそのドーナッツの商品力です。
「口の中でとろけるドーナツは新食感でメチャクチャおいしい!」とUSAで大ブレークしている真っ最中です。
なにしろ感動したお客さんがお土産で遠方に行く時は大量に買い込むため、航空会社がその持ち込みを制限したといった話を聞きました。
まあ、開店して間もないため「ウワサ」先行の開店景気かも知れませんが。
というのも、数年前、大ブレークしたラーメン店の行列もマスコミ先導のもので「これは1年以内に行列消えるよ」と試食した後に同席した顧問店の社長と語り合ったのを覚えているからです。
その店は、今誰一人並んでいません。前回述べた商品力がなかったのです。
開店景気があればあるほど、お客様の期待度が高まるため、商品力が本物ではないとその落胆が大きく、普通の商品力ではかえってマイナスなのです。
ですから、前景気をあおるようなことは、短期勝負の店を造るのでないなら、しないほうが賢明でしょう。
経営者の多くはそのことが解ってはいるはずなのですが、新規開店が近づいてくると、お客様が来てくれるだろうか、売上が上がるだろうかと不安になるらしく、オープン記念の安売りチラシやサービス券のバラマキをやってしまうのです。
その結果、押し寄せるお客様に満足のいく品質の提供ができないばかりか、サービスの不備によっても商品の価値を下げる状況を作ってしまうわけです。
ぜひとも、前段階で自信ある商品開発を行い、スタートした後もその改善や新商品の開発に力を注ぐことを忘れないで欲しいですね。
前述の krispy kremeは残念ながら行列に並ぶ時間がなくて食べていないので、なんとも言えませんが、近いうちに食べて報告します。
ではまた。
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