コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2007年8月6日

その38 繁盛店にある基本のこと

先週、笛吹市商工会様にお招きいただいて講演会をしてきました。お忙しい中たくさんの方々に来て頂き、感謝、感謝でした。

予定の時間を30分もオーバーして話してしまいご迷惑をおかけした方もいたかもしれません。ゴメンナサイ。

東京近辺では景気が良くなっているという話が聞かれるようにはなりましたが、東京の表通りの地価と裏通りの地価の関係のように表面だけの景気の良さでまだまだだなあと言うのが地方の方と話をするとわかりますね。

繁盛店にある基本のこと

帰りの特急の時間まで40分ほどあったのですが、商工会のスタッフの方が、「繁盛しているケーキやさんがあるのですが、お茶を飲んで休めるスペースもありますのでいきませんか?」と誘ってくださいました。

繁盛店には必ず理由があるものです。見ないわけにはいきません。

 それに石田は酒も好きなのですが、甘いものもイケちゃうのです。即座に「いいですね。行きましょう」と答えてお店に向かったのでした。

 場所は、【 こんな場所で商売になるのかな 】 と いうような立地でしたが、駐車場はいっぱいです。建物はたぶん自宅兼用なのでしょうが生活観が見えないよう造りをしています。

飲食店は非日常を売る仕事でもありますから、ファザ-ド (外観)に洗濯物が見えたり、布団が干してあったり、などの生活観が見えるとお客様の中には幻滅を感じる方もいらっしゃるのです。お客様はお店の外観を見てワクワクしながら入りたいのです。このお店「やるなあ」と言う感じです。

 中に入るとショウケースの前には人だかりがあり、右手にある 30席程のホールは満席です。ほとんどが女性客で明るい笑顔でおしゃべりをしています。飲食店のこんな姿を見るとなんか嬉しくなってしまう石田でした。ショウケースの向こう側ではガラス張りの厨房があり、中ではケーキ職人が忙しそうに仕事をしています。プロの姿を身近に見せることでお客様には安心感と興味を持ってもらうことができます。パフオーマンスには商品に対する信頼感を増す効果があるのです。

 そんな事を感心しながら待つ中、男三人順番が来たので席を確保、いそいそとショウケースに向かって歩き、選び始めましたが種類が何となく少ないと思っていると、誠実そうな笑顔を称えた女性店員さんが「申し訳有りません。いくつか売切れてしまいまして、今はここにある種類からお選びください」

可愛い声で言われたオジサンは笑顔で「大繁盛ダネ」と言うしかありません。それにしてもほんとに良く売れています。

選んだケーキと飲み物が運ばれて来る間に「ここのオーナーはTV東京のTVチャンピオンの優勝者なんですよ」とスタッフの方から教えてもらうと、もう食べる前から口の中が美味しくなってしまうのでした。もちろん目の前にやってきたケーキはホントに美味しかった。

 甘さ控えめでライトなスポンジ、軽く食べられるけど満足感はしっかりあるという一級品でした。売り切れてしまった人気のケーキは是非とも今度来た時には食べて見たいと思ったのでした。

 帰り際、店の奥を覗くとしっかり優勝した時の様子を写真などでアピールしていました。店の長所はどんどんお客様に発信しなければいけない時代です。

「品質の良さは食べればわかる」などと腕を組んで待っているようではお客様はなかなか来てくれません。積極的なアピールはするべきなのです。

ファザ-ドはコンセプトをしっかり出し、店内でプレミアであるネームバリューを表現、商品は高品質で東京より 100~200円安いと思える価値観、優しい誠実な接客、さらにガラス張りの厨房でパフォーマンスしているという正に繁盛店のお手本でしたね。

  石和温泉駅から車で 5分【ミサワハウス】というケ-キ屋さん、皆さんも機会が合ったら是非どうぞ。  

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