2012年8月6日
その98 適切な対処は慎重に
米国などで聞く話ですが、タバコを吸う人間は取締役などの重要な職責には就くことができないとか。
医者に行けば「タバコはできれば吸わないで」と言われるのは当たり前で、「タバコを吸うことが病気ですよ」とまで言われるのもよくあるケースだそうです。
吸わない方が増えて喫煙者がどんどん隅に追いやられています。
空港やホテル、デパート、公共施設などにも専用の小部屋があり、その中で吸っている人を見かけると、なんだか哀れに見えたりします。
まあ、タバコのボックスにさえ吸うと害だと書いているのですから、当然と言えば当然ですね。
飲食店もこの時代の流れに適切に対処していかなければいけないのですが、先日、ちょっと“あらら~”という例が・・・。
『適切な対処は慎重に』
「お客さん、タバコは外、外の席で吸ってください!」
ちょっと珈琲でも飲もうかとこじゃれたカフェに入ってゆっくりしていた石田の耳に、近くのテーブルのオジサンに声をかける店員の声が響きました。
私だけでなく、他のお客さんも注目です。
オジサンの前には灰皿があり、見渡すと店の入り口には灰皿が置いてあります。
禁煙の表示を確認すると充分ではありません。
(洒落たカフェで大きく表示は雰囲気を壊しますから仕方ありませんがね)。
「ごめんなさい。ゴメンね」
オジサンはしきりに謝っています。
その声には何の反応もせず、消した吸殻が入った灰皿を無言で店員は片づけていました。
ちょっと可哀想だなと思って見ていた石田は次の瞬間、絶句してしまいました。
店員が何やら手に持ちながら奥からまたやって来たからです。
なんと右手にはダスター、左手には消臭剤を持っています。
そしてオジサンの周辺に消臭剤をスプレーし、拭き掃除を始めたのです。
「ごめんね、悪かったね」。
オジサンはまた謝っています。
店員は黙々と拭き掃除が終わると何も言わずにカウンターの奥に帰って行きました。
この時には石田の心にはオジサンへの気の毒さと店に対する悪感情が生まれていました。
「お客様、店内は禁煙でございます。外のテラス席でお願いできますか?」って何で言えないんだろう。
拭き掃除はお客様が席をたってからでも良かったんじゃないか。
その時に拭き掃除をするにしても、何か一声かけてもいいんじゃないでしょうか。
「表示が小さくてすいません。匂いはすぐ取らないといけないので拭かせていただきますね」。
なんて対処だったらオジサンはもちろん石田も何も感じなかったかもしれません。
たぶん、あのオジサンはもうあの店には行かないでしょうが私も行くことはありません。
他の方の中にも同じ感情を持った方がいたでしょうね。
きっと・・・。
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