2005年3月3日
サービスマンはSHOW MAN(1)
サービスマンはSHOW MANと言われます。常にお客様を喜ばせようという気持ちで気配り目配りし、接し、お世話をすることはもちろんですが、一方でお客様からも注目を常に集めていることを軽視してはいけません。“見させて楽しませる”“SHOW”して“商”をするSHOW MANに関する観点はいくつかあるのですが、今回は「立ち居振る舞い」についての観点から“ナイスなSHOW MAN”のポイントを解説して参ります。
① Speedy
テキパキ、キビキビとした立ち居振る舞いは見ていて気持ちの良いものです。ですが、身体を素早く動かすだけでなく、素早い目配りと気付きがなければ、あたふたとした雑な動きと映り、みっともないので注意が必要です。流れるようなしなやかなSpeedyさを生むためには的確な判断力が求められます。「無駄のない動き」があるからこそ、スピーディーな動きが際立って演出され、「気持ちがいい」と思われるのです。また、グリーティング(お客様に言葉を発すること)の際“素早く”話すのは不快な気分にさせることが多いので、動きと連動させないように気をつけ、落ち着いて丁寧に話すようにしましょう。
② Smart
スマートな立ち居振る舞いでお客様の印象はグッとアップします。
まず、第一には清潔感があること。これは、基本中の基本です。ユニフォームが汚れていたり、しわやよれ、ほつれ等がないことはもちろん、男性なら頭髪やヒゲ、女性なら爪の長さや化粧等には十分気をつけ、スカッとした見た目になるようにしましょう。
第二には立ち方や背筋などのスタイルです。背筋はピッと伸ばし猫背にならないように、また顎を突き出すのはみっともないので、引いて凛々しく保つことが大切です。また待機などしている時、腕は前に組むほうがスマートです。後ろに組むと監視されているような感じがするので、避けた方が賢明です。ちなみに前に組むのは「何かあったらすぐに手助けしますよ」というようなポジティブなイメージがあり、好印象なのです。
最後には「メリハリ」についてです。「メリハリ」とは、具体的に何かというと、一連の動きの中に「一瞬の間」があることとよく指導しています。お客様のテーブルに料理を運ぶとき、颯爽とスピーディーに席まで歩いていき、「お待たせしました」という前にピタッと一瞬静止してから商品名を言い、また間を空けてからテーブルの上に置きます。置き終わった後、立ち去るまでに、また止まってから・・・というような具合です。逆にひとつひとつの動作が流れているとみっともなく、せかせかしたイメージになってしますので、気をつけます。これらはスタッフ同士で良い例と悪い例をロールプレイングしてみるとよりはっきり理解できます。
③ Smile
前回“笑顔の魔法”についてお話しましたが、あなたが客席でオーダーを取ったり、お料理について説明したり、邪魔な器を下げているというようないわゆるお客様との接点の際の笑顔だけでなく、パントリーで作業していたり、待機して立っている時もにこやかにしているとお客様はとても心地よい気分になります。スタッフ同士で雑談をしてゲラゲラ笑っているのは全く逆効果になるので注意します。優秀なサービスマンとそうでないのはこの辺で差が付くのではないかと個人的にも感じています。客席では満面の笑顔なのに、デシャップやパントリーでしかめ面でイライラしているのを見ると気分が悪く、しらじらしく感じるものです。お客様はいつもあなたを良く観察しています。
④ Dynamic
時にはオーバーアクションでダイナミックさを演出することも効果的で、ご案内時や商品提供時にインパクトを与えやすいものです。ポイントは、1)身体(特に腕や手の先)の動作をキビキビと止めながら行なう 2)手の先などはピッと真っ直ぐ伸ばし、できるだけ高く広い位置で動かすことです。
いかがでしたでしょうか?お客様にいつも注目されていることを強く意識し、お店という舞台の中の名役者でいてください。
次回は、「会話・話術」の観点からSHOW MANのお話をします。
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