2004年10月29日
3つの“ing”(3)
今回も、「3つの“ing”」の基礎ともいうべき“Watching”についてもう少し現場の状況に沿ってお話させていただきます。
店内外にはたくさんのお客様がいますので、多くのWatchingポイントがあります。
● 店外(入店しようとするお客様はいないか)
● 出入口(お迎え、お見送りすべきお客様はいないか)
● 空席状況(空いている席があるかどうか)
● お客様一人一人の表情・しぐさ(何をしているか、何をしてほしいと思っているか)
● 各テーブル上の状態(下げるべき食器等はないか、取り皿をお取り替えすべきか、ドリンクやお水のお替り等はないか)
● デシャップやキッチンの状況(料理は上がっていないか、上がりそうか)
● パントリーの状況(ドリンクは上がっているか、上がりそうか、足りなさそうな什器備品はないか)
● 洗い場の状況(洗い物は溜まっていないか)
● 伝票など(商品の出し漏れなどはないか)
● レジの状況(会計をお待ちのお客様はいないか)
● ノーゲストテーブル(次のお客様がくつろげる清潔さ、補充状態になっているか)
● 店内の清潔さ(各部屋、各設備、調度品など)
もちろん、ポジション制等を敷いて、各業務を分担したりする場合もありますが、基本的には(特にリーダー的スタッフは)これらを常に把握していなければいけません。また、当然のことながらこれらの状況は時間が経つにつれ刻々と変化するものなので、まさに“Watching”が秒単位の癖にまでなっている必要があります。
そのためには、技術的に考えると「いつ」「どこで」「何を」Watchingするかということを抑えておく必要があります。
例えば、
● パントリーから客席に出る際には必ず店外と出入口に目を向ける
● あるテーブルに行く際、生き帰りには他のテーブルを必ず観察してくる
● 客席からパントリーに戻る際には必ず洗い場とデシャップに目を向ける
等のルールを決めて実行すると良いでしょう。
オペレーションの流れの中でこれらがきちんと整理されていると、従業員教育も大変効率的、効果的に進めていくことができます。OJTにおいて、トレーニー(研修生)の視線をおいかけていればよいからです。
一部のスタッフだけでなく全員が同じポイントでWatchingできるようになれば様々なシーンでお客様をお待たせすることもほとんどありませんし、多様なニーズに気付くことも多くなり、よりきめ細やかなサービスを実行できるようになります。
優秀なホールスタッフがいたら、その視線を追ってみてポイント別に整理し、マニュアル化してみたり、ビデオに撮影したりしてみてはいかがでしょうか。それらを活かせば、店全体のサービス向上になることは間違いないでしょう。
次回は「Thinking」についてお話させていただきます。
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