『食の豆々知識』 Vol.9 砂糖

一般の砂糖における消費量の8割は、上白糖とグラニュー糖の2種類だけで占められているそうです。
しかし砂糖は、実は塩以上に幅広い種類をもつ調味料なのです。
今回は、塩に続き、最も基本的な調味料である「砂糖」の種類と、その用途に応じた使い方について、お話しようと思います。

砂糖は、製法の違いから、蜜糖を含む含蜜糖と、蜜糖を分離した分蜜糖に分類されます。
分蜜糖は精製され精製糖となり、結晶が大きく水分の少ないざらめ糖、結晶が小さく転化糖を加えしっとりさせた車糖、形状を加工した加工糖になります。
砂糖といえばふつう上白糖を指しますが、これは車糖にあたり、しっとりとしていて溶けやすいため、調理用として最も一般的に使われているようです。

では、これらの砂糖をどのように使ったら効果的なのでしょうか。
まずは結晶の大きさで使い分けてみて下さい。
結晶が大きいほど、溶けるのに時間がかかります。
ですから、豆などを煮るときに、甘みをゆっくり含ませたいときは、ざらめ糖などが適しています。
梅酒を漬けるときに、氷砂糖を使うのもこのためです。

次に、純度(精製の度合い)によって使い分けてみてください。
煮物は、上で述べたように使いやすく、ほかよりも甘みの強い上白糖を使用することが多いですが、上白糖よりも純度が低く複雑な甘みがある三温糖や更にこくがある黒砂糖などを適量用いることで、独特の風味でこっくりと仕上がります。逆に、焼物のたれなどには、グラニュー糖や氷砂糖などの上品な甘みの砂糖を使うと、あっさりと仕上がります。

最後に原料に注目してみてください。
砂糖の原料は、さとうきび(カンショ糖)とてんさい(ビート糖)に大別されます。 日本では、ほとんどがカンショ糖です。

しかしこれ以外にもヤシ糖、カエデ糖などもあり、カエデ糖からつくられるメープルシロップは、独特の風味、甘みがあり、デザートなどによく使用されています。
また、最近では、自然の炭水化物に由来する糖質甘味料ではなく、非糖質甘味料(一般には低カロリー甘味料)も数多く流通しています。
もちろんこれは、「砂糖」ではありませんが、甘味料として、病院食や健康に気を使う飲食店でも使用されています。

さて次回は、塩と同じように砂糖にも、調理の上で欠かせない役割があります。
その働きについてお話しようと思います。
以前、低カロリー甘味料を使用したカクテルやサワーがおいてある居酒屋がありました。
「低カロリー甘味料使用!!」という言葉についひかれ、友達と盛り上がってかなりの量を飲んでいたように思います。

しかし、甘味料が低カロリーなだけであって、アルコールのカロリーはちゃんとあるんですよね…。