『食の豆々知識』 Vol.16 味噌

 今回は、基本の調味料さしすせその最後の“そ”にあたる味噌のお話。

 味噌は大豆を主原料に塩と麹を加えて発酵させたもの。まずその麹の種類によって、米味噌、麦味噌、豆味噌に大別されます。また、塩分により、少ないもの(6%くらい)を甘味噌、多いもの(12%くらい)を辛味噌に分類し、更に色(赤、淡色、白の3色)や産地によっても分けられます。色は、原料の配合比率、熟成期間、大豆を蒸すか煮るかによって違ってくるようです。

 米味噌
全国で一番多く作られ、大豆、うるち米からつくった麹、塩が原料。甘味噌に、西京味噌(白*1)、江戸甘味噌(赤)、辛味噌に信州味噌(淡色)、仙台味噌*2(赤)などがあげられる。
 *1白味噌:大豆に対して米麹の量が多いほど、また、熟成期間が短いほど、味噌は白く仕上がり、塩分は低い。これが一般に白味噌と呼ばれ、甘味があり香りもよい。代表的なものが上にも記した京都の西京味噌であり、一週間そこそこの熟成期間で作られる。
 *2信州味噌:この名称は長野県味噌組合の団体登録商標だが、色の淡い辛味噌の代名詞ともなっている。塩分は12%と高めだが、あっさりとした辛みで全国的になじみが深い。

 麦味噌
もろみ風の独特の香りがあり、味、色は地方で異なる。田舎味噌は、各地で作られる麦味噌の総称。関東北部のものは、赤味噌、辛味噌系が多く、九州、四国地方のものは、淡色系で塩辛味が少ないことが多い。

 豆味噌
米や麦の麹を使わずに、大豆だけで作られる味噌。2~3年発酵熟成させるため、特有の渋みと濃厚なうまみがあり、濃い赤褐色をしている。有名なものに愛知の八丁味噌があげられ、塩分は11%と塩辛い。ちなみに赤だし用味噌は、かたい八丁味噌を柔らかく、使いやすくするために、旨味調味料や信州味噌を加え加工したもの。桜味噌や大徳寺味噌は商品名。

 上記で述べてきた味噌は、一般的には調味料として用いる味噌で、普通味噌とよばれ、そのまま食べる副食用に作られた味噌はなめ味噌とよばれます。もろみ味噌や金山時味噌などがそうです。

味噌の働きは、基本的には醤油と同じですから、
○ 脱水作用
○ 防腐作用
○ 肉や魚の生臭み消す作用
などがあげられます。しかしもちろんこれらは、塩分が高い味噌による効果であり、すべての味噌にいえるとは限りません。

 味噌については、働きよりも使い方を少々お話したいところですが、ちょっと長くなってまいりましたので、そのお話は次回にすることに致しましょう。

 ところで、今回このコラムを書くにあたって、“みそ”を辞典でしらべてみました。①大豆と麹を発酵させた調味料、②かに味噌など形状がみそに似ているもの、・・・(略)とありました。そこでふと、人間の脳みそも、味噌に似ているのかな、系でいったら、信州味噌っぽいのかなと、勝手に想像し、ちょっと気持ち悪くなってしまった私でした。....失礼致しました....。