『食の豆々知識』 Vol.20 アレルギー表示

あけましておめでとうございます。
2006年、年明けですね。私は、年明け早々に、胃腸にくる風邪をひき、元旦から寝込んでしまいました。だからという訳ではないのですが、今回は、調味料シリーズも終わり、次のシリーズにすすむ前のちょっとひと休憩。アレルギー表示についてお話しようと思います。

2002年4月より加工食品のアレルギー表示制度がスタートし、パッケージに卵、乳、小麦、そば、落花生の5品目(義務品目)とその他20品目(推奨品目)の表示がされるようになりました。
食品メーカーは、これにより大変な思いをすることとなり、先日もある大手メーカーの自主回収の記事が新聞にのっていました。微量の小麦が混入されていた唐辛子を使用した商品を回収するに至り、損害額としては億単位に上るそうです。“同一工場内で○○(義務品目)を使用した製品を生産しています”といった、関係ない人からみれば、“なぜここまで?”といわれるほどの文章を表示しているほど、コンタミ(コンタミネーション=意図せざる混入)などにも気を使っているのが現状です。

しかしながら、この表示制度はあらかじめ箱や袋で包装されている加工食品において決められているもので、店頭で量り売りされているものや、注文して作るお弁当はこれにあたらず、もちろん飲食店においてもまだ決まりはありません。
それでも、最近では、メニューブックなどに“アレルギー物質などについてはスタッフにおたずねください”などの表示を見かけるようになりました。

私事にはなりますが、うちには卵、乳製品のアレルギーを持つ2歳児がいます。ちょっとでもそういった物質が入ったものを口にすると、身体中にぼこぼことじんましんが出て、痒がり、大変なことになります。それでも、まだいい方で、そばや落花生などに多い、危険なアレルギー反応になると、呼吸困難に陥り、生命も危なくなる人もいます。今や、新生児のうち4人に1人はアレルギーを持っていると言われ、今後、アレルギー表示においてもどんどんきびしくなるのではと言われています。

そんなおり、先日、マクドナルドのセットを注文したときに、ふと“ハッシュポテトには乳、卵、は使われていませんよね?”と念のため確認したところ、スタッフは対応に困り、責任者らしき人まで出てきた上、“このホームページアドレスか電話でお問い合わせ下さい。”という対応が返ってきました。ちなみに日曜の朝、電話はつながりませんでした。“天下のマックが!?ランチョンシートの裏に栄養表示をのせるなら、アレルギー表示の一覧くらい各店舗で持ってろ~っ!!”と言いたい気分でした。
また、ある先日、カレーが有名な洋食店で、“アレルギーがあるもので、カレーなどはダメだと思うのですが、このサイドメニューのラタトウユやポトフなどで、卵、乳製品を使っていないもの、ありますか?”と尋ねたところ、“う~ん、たぶん使ってないと思いますよ...。あとは、ラムのデミグラスソース煮込みとか...。”と言われ、“え?デミグラスソースって、バターとか使っていますよね?”と聞き返すと、“あ、バターも乳製品か...。”とつぶやいて考えられてしまいました。恐くなり、シェフにきちんと聞いてきて頂き、結果的には、ちゃんと確認できて、卵、乳が入ってないものを注文できた訳なのですが、飲食店のアレルギーにおける危機管理のなさに、驚きました。

このような時代の中で、飲食業界もそういった注意を求められるようになってくるのではないでしょうか。メニューの記載だけではなく、スタッフ教育も必要になってくるのかもしれません。

今回は、ちょっと最近気になっていたことを、私事ではありましたが、お話させていただきました。次週からは、今度は食材とその調理法の豆々知識シリーズをお話していく予定です。

ローソンは1月4日、働く女性のために託児所を併設した24時間営業の「子育てコンビニ」を早ければ今春にも都内に開業することを発表しました。このコンビニには、オムツやミルクなどはもちろん、アレルギー除去弁当も販売予定だそうで、どんなコンビニができるのか、とっても楽しみにしているアトピッ子の母でした。