『食の豆々知識』 Vol.41  マクロビ

近年、マドンナやトムクルーズが実践していると話題になったからか、メディアで取り上げられることの多くなったマクロビオティック。

先日、以前から行きたいと思っていたマクロビ・カフェにやっと行くことが出来ました。

ところで、私、はずかしい話、「乳・卵・肉・白砂糖を使わない」くらいしか知識を持ちあわせていなかったもので(すみません…)、この機会にちゃんと調べてみました。

● 実は日本が発祥の地!!

マクロビオティックは、3つの言葉からできています。

MACRO(マクロ)=大きな
BIO(ビオ)=生命の
TIQUE(ティック)=術

つなげて、「生命を大きな観点から捕らえた健康法」という意味になります。

これは、故桜沢如一氏(さくらざわゆきかず。でもなぜか海外では、ジョージ・オーサワ)が、日本に古くからある「食養」をもとに考案した食事療法で、「すべての健康な肉体と精神、病気は、食べ物と環境からくるものであり、現代人の多くが病んでいるのは食の過ちによる」という考え方です。

マクロビオティック(=Macrobiotique)はフランス語。桜沢氏はその考え方を広めるためにまず、フランスで活動しました。

英語では、マクロバイオティクス(=Macrobiotics)。弟子の久司道夫氏が推進したものが、アメリカでかなりの広がりを見せ、クシ・マクロビオティックとも呼ばれています。

ちなみに、私の実家が20年以上前から飲んでいた自然食品の「三年番茶」は、オーサワジャパンが発売元。このオーサワは、桜沢のオーサワだということを、今回初めて知りました。

● マクロビオティックの基本的考え方。

私流に簡単にまとめると。

① バランスよく食べましょう。

全粒穀物が40~60%、旬の野菜20~30%、豆類・海草類5~10%、スープ5~10%が標準食。伝統的な日本食の料理構成が基本です。

② 暮らす土地の旬のものを食べましょう。

できるだけ、その土地でとれた有機栽培のものか、同じ温帯性気候の土地のものを選び、根菜、丸い野菜、葉野菜をバランスよくとるようにします。
芋類やナス科の食物、熱帯産の果物などは、温帯地域に住むものにはむきません。

③ 自然の恵みを残さず食べましょう。

エネルギーが完全な形で含まれている全体食を選ぶようにします。つまり、野菜は丸ごと、皮や根も食べます。アクも基本的にとりません。白米、薄力粉、白砂糖など、精製されたものや破壊されている食物はとらないようにします。

④ 肉類や卵、乳製品はできるだけ避けましょう。

他に、刺激性や、芳香性の強いもの、人工的に作られたものや、科学的に処理されたものも避けます。
脂肪の少ない白身魚や、季節の果物、それをベースにしたデザートなどは、週に数回程度にしましょう。

⑤ よく噛んで食べましょう。

腹八分目が基本。食べ物の消化・吸収をよくし、食べすぎを防ぐために、1口を少なくとも50回(!)以上噛むようにします。

● 高級ホテルでマクロビ?

豆腐やひじき、乾物、玄米、聞いているだけで、とても地味な食卓が目に浮かびます。修行僧になった気持ちで行ったマクロビ・カフェには、色鮮やかな様々なケーキがショーケースに並び、私のイメージはくつがえされました。

日本で生まれたマクロビオティックは、世界各地で急速に広がっていきました。そして10年ほど前に起きた自然食やダイエットのブームで、バレリーナやダンサーが実践されていることが話題になり、日本に逆輸入されたのです。

その後、スーパーモデルをはじめ、各界の著名人にも実践されることで、フレンチなどの技法やテクニックを盛り込み、有名ホテルや、レストランなどで、洗練された盛り付けや味わいのマクロビオティックが楽しめるようになりました。

また、最近では、忙しい人のためのインスタントやレトルト食品も販売されています。

楽しく、手軽にマクロビオティック生活を続けることは、大事なことですが、原点を忘れないようにしたいものです。

ところで、近年では、「ロハス」や「ヴィーガン」という食生活も話題になっていましたが、マクロビと何が違うのか、知っていますか?

次回は、その話をいたしましょう。

ちなみに、マドンナは、アレルギーを持つ子供のために、マクロビオティック生活を始めたそうですが、私がマクロビ・カフェに行きたかった理由も同じ。もちろん、アレルギっ子を連れて行きました。

ファミリーレストランなどでは、低アレルゲンメニューがおいてあったり、アレルギーの食品表示がしてあったりと、外食しても、安心して食べられるものが増えてはいたのですが、このカフェでは、“自分でメニューを見て制限なしで選べる”、“この中のもの何でも食べられる”ということが、うれしかったようで、更に、ショーケースのケーキがなんでも食べられると知った時の、喜びようは、大変なもので、いつまでも“あれにしようかな、こっちもいいな”と悩んでいました。

しかし、友達の子供は、卵・乳の他にも大豆やごまもアレルギーがあり、未だ、外食はしたことがないとのこと。

こういった子供たちに、レストランで、選んで、食事する楽しみを味あわせてあげたいものですが、なかなか難しい問題です。