『食の豆々知識』 Vol.47 鮭のみそ寿し

先日のGWに新幹線で九州に行ってきました。

今回は、そこで出会った駅弁の、食の知識というよりは、食のこぼれ話。

 

その駅弁は、博多の新幹線からの乗り換え通路のお弁当屋さんにありました。

何か、お弁当を買おうとしていた私たちの目の前で、次から次へと鯖やら鰯やらの何種類かの棒寿司らしきものが売れていき、その後には、「売れきれ」の札が・・・。

あせって買った、棒寿司の1つでした。

 

博多から、佐世保へ向かう列車の中で早速開けてみると、一口サイズに切ってある鮭の棒寿司が4ヶ(これも4貫っていうのかしら)。

たしか、他の棒寿司(他に買ったのは、サバとイワシ。九州といったら、サバだろう、と思っていた私は、あきらかに、この鮭の棒寿司をバカにしていた)よりも高く、¥1100くらいだったような。

だとすると、「高いなぁ」といういうのが、初めの印象でした。

しかし!食べたらそのおいしいこと!

シャリは十六穀米の酢飯になっているため、かむほどに食感やコクがあり、のっている鮭は肉厚でとろっとしています。

何よりも、私が、感動したのは、添えてある、味噌。

みそ寿しとなっていたので、サバのみそ寿司のように、味噌をつけて焼いたか、味噌煮にしてあるのかと思ったら、寿司を醤油につけて食べるように、その練り味噌をつけて食べる、ということだったのです。

この発想、そしてこの味噌のおいしいこと!

東京から博多までの5時間、趣向を凝らしていそうで、やはりありきたりなお弁当にあきあきしていた私には、とっても、感動したお弁当でした。

  十六穀米でつくった
     「鮭のみそ寿し」

詳しくは、清広食品(092-932-8588)まで。

宣伝じゃありません(笑)。

 

ところで、あとで聞いてみると、博多駅 人気NO.1のお弁当は、この清広食品の「清広のさば寿し」だそうです。

博多駅の他のお弁当屋さんでも売っているそうです。

気付けば、鮭のみそ寿しの他にも、ちゃんと、「さば寿し」と「いわし寿し」も抑えてはありました。

さすが、食に対しての勘が働いたか(笑)。

酢飯の上に、しっとりぷりぷりの肉厚なサバがのっていて、間にはさんであるしそがほのかに香り、確かに、他のサバ寿しよりもおいしかったですが、でも私は、「さば」よりも「いわし」の方がおいしいと思ったし、それよりもこの「みそ寿し」の方が、感動しました。

きっと、“九州といえば、サバ、アジ”という(私のような)単純な購買客が多いんですかね。

ところで、このみそ寿し、これが最後だったのですが、他にも、アナゴとか、鯛とかがあったような気が・・・。

次回は、ぜひ、他のも食べてみたいものです。

 

今回、この“味噌をつけて食べる寿司”というものに、初めて出会ったため、感動したわけですが、この料理、地元料理としてあたりまえのことでしたら、失礼いたしました(一応、九州の方何人かにきいてみたところ、そういったことはしない、というので、コラムに書いてみたのですが・・・)。

他にも、九州では、お寿司屋さんの醤油がどろっとしていて、初め、あなごなどにぬる「ツメ」と間違えたかと思いましたし、お味噌汁が甘かったり、醤油が甘かったりと、聞いてはいても実際に目の当たりにすると、ちょっとした驚きがありました。

味噌をつける、という発想しても、そのちょっとした驚きが、感動を生むんだなと、今回、つくづく身にしみました。

ちなみに、みそ寿しのみそ、“秘伝のたいみそ入り”と包装に書かれていて、確かに、とてもおいしい味噌だったのですが、原材料名の中に、どこを探しても「鯛」の文字がない。

キャリーオーバーなのか、それとも、たいみそといっても魚の「鯛」じゃないのか、はたまた、ただ単に、明確だからと記入していないのか・・・。

では、次回は、また、まじめ(?)に豆々知識にもどしましょう(笑)。