『食の豆々知識』 Vol.73 カロリー計算
メニューのレシピを提案したりしていると、カロリー計算の仕方を聞かれることが多々あります。
(あ、もちろん、カロリー計算自体を依頼されることも多いのですが)。
その時によく質問されるのが、揚げ物の計算の仕方。
フライパンで油をひいて調理する場合、大量の油で揚げ焼きするなど、調理後のフライパンに油が残る場合を除き、ひいた油のカロリーは全て摂取カロリーとして計算されます。
しかし、揚げ物の場合は、そういう訳にはいきません。
今回は、そんな疑問にお答えします。
● まずは基本の栄養計算の仕方
原価の計算とほぼ考え方は一緒です。
食品1品ずつのカロリーを求め、全てを合計すればいいのです。
1品あたりのカロリーの計算は、
100gあたりのエネルギー(kcal)×賞味重量(g)÷100
で計算できます。
原価計算の場合は仕入れ値が必要となってきますが、カロリー計算の場合は、食品毎のカロリーが調べられる「食品成分表」というものが必要となってきます。
食品成分表はすべて、「可食部100gあたり」の数値です。
ですから、廃棄分を除いた可食部、賞味重量で計算をします。
もちろん、大量調理の場合、料理全体のカロリーを算出してから、人数分で割ってもかまいません。
栄養計算のソフトがいろいろでていますが、ネット上でもカロリー計算のさまざまなサイトがあるので、簡易計算なら、これで十分です。
昔は、計算機片手にパチパチやっていましたが、ホント楽になったものです・・・。
● 揚げ物はどうやって計算するの?
揚げ物の場合、調理前よりも増えた油の分量を計算します。
これは、揚げる前と揚げた後の分量の差ではありません。
水分が油と置換されるからです。
一般に、この吸収した油の分量は、油の「吸油率」というもので計算します。
例えば、鶏もも肉のから揚げの場合、吸油率は1%なので、
鶏もも肉の重量(g)×吸油率1%÷100=吸油量(g)
となります。
この時、片栗粉などの粉や衣の重量は含みません。
素材の水分が多いほど吸油量は多く、脂質量が多いほど、吸油量は少なくなります。
もちろん、すべての揚げ物の素材、衣の吸油率が表示されている訳ではありませんから、近いものの数値で計算することが一般的です。
ところで、煮汁や漬け汁はどう計算したらよいでしょうか。
料理に使用した調味料は、基本的にすべてレシピの分量が全量口に入ったとして計算します。
しかし、大量な煮汁で煮たり、たっぷりとした漬け汁で漬け込んだりする場合は、口に入る量を計算します。
例えば煮魚などは残る煮汁を想定し、1/3の量だけを計算したりする訳です。
食材は、季節やその年の気候、品種によって、もちろん栄養が変わってきます。
ですから、食品成分表は、平均の数値を載せていることになっています。
加工食品では、表示するエネルギー量は、上下20%までの誤差は認めているそうです。
つまり、500kcalと表示されていても、400kcalかもしれないし、もしかしたら600kcalかもしれない・・・。
意外といい加減です(笑)。
次回は、カロリーをどうしたら抑えられるか、についてお話しましょう。