『食の豆々知識』 Vol.74 カロリーダウンのコツ

「とんかつ定食」と「野菜の炊き合わせ御膳」、どちらのカロリーが低そうですか?

「とんこつラーメン」と「かけそば」、どちらのカロリーが低いと思いますか?

たぶん(一般的に)、ともに答えは後者です。

しかし、わかっていても、毎日そばや豆腐、野菜ばかり食べるわけにもいきませんよね。

今回は、前回予告したとおり、どうしたら、満足したままカロリーを落とせるか、というお話。

● まずは油の使用量をひかえる。

1日でとる理想的な調理油の量は大さじ1~2くらいといわれています。

つまり、1食につき、小さじ1~2くらいしかとることができません。

まずは、テフロン加工のフライパンなどを使用し、ひく油の量をおさえることがポイントです。

必ず、小さじなどの計量スプーンを使用するようにしましょう。

目分量は、多めに入れがちです。

また、バターソテーなどは、こげやすいため、量を多く使用しがちですが、まず、うすくひいたサラダ油でソテーしたあと、最後にバターを加え、風味をつけるようにします。

油を吸いやすい「なす」などをソテーしたい場合は、1度なすに塩をし、水分を抜いてからソテーすると、吸油率は下がります。

● 食材のカロリーの落とし方。

肉よりも魚、赤身よりも白身魚、など、もともとカロリーが低い食材を使用するのが1番ですが、カロリーが高い食材を使用する場合、その脂をいかに落とすかがポイントとなります。

豚ロースを例にしましょう。

脂身がついている豚ロース100gの脂身を切り取ると、150kcalものダウンになります。

鶏の皮なども同様です。

また、しゃぶしゃぶは、茹でて脂が落ちているような気になりますが、実は、5%ほどしか、ダウンできません。

それよりも、網焼きや、オーブンで焼いたほうが、20~30%ものカロリーをダウンできます。

ここで、気をつけたいのは、もともとカロリーが低い肉(ささ身、鶏ムネなど)や、脂をカットした肉は、パサつきがちなので、低温で調理する、余熱で火を入れるなど、肉をやわらかくジューシーに仕上げる工夫が必要です。

また、カロリーを落とすことばかり考えていると、たんぱくな料理になりがちですので、辛味や旨味を加えるようにし、メリハリをだすとよいでしょう。

● 満腹感のコツ。

これは、よく言われていることですが、素材を大きく切ること。

早食いは、満腹中枢が刺激されないため、満足する前に食事が終わってしまい、もの足りなく感じてしまいます。

そこで、よくかんで、ゆっくり食事をとるようにするために、根菜類、ごま、生野菜などを固い素材加えたり、食材を大きめに切ったりして、よくかませる料理にするよう工夫しましょう。

また、冷たいものばかりを食べていると、食べやすい上に単調で、ついつい食べ過ぎてしまいます。

そこで、料理に温度差をつけるようにします。

冷たい麺料理には、温かいスープをつける、などです。

また、スープ類が1つあると、満足度が急激にアップしますので、ぜひ、定食には、スープ類をどうぞ。