『食の豆々知識』 Vol.87 消化のよい食事

先日、友達が、近年話題のファスティングをしていました。

ファスティングとは、もともと断食という意味ですが、もちろんここでは、修行のような厳しいものではなく、生野菜ジュースなどでビタミン、ミネラルを取りながら、半日~3日断食して、ダイエットやデトックスをする「酵素断食」という意味です。

ファスティングの詳しい話は、またの機会として、その友達に会ったのが、ファスティングを終えた次の日。

居酒屋で会った、開口1番、“昨日まで断食してたんだけどさ。消化のよいものって何食べたらいいの?やっぱりビール飲んじゃダメかな?”

居酒屋で、そんなこと聞くなよ…。

断食の次の日に約束するなよ…。

と思いながら、適当によさそうなものを選んで食べたのですが。

確かに、大人になると、断食に限らず病み上がりでも、家で、お粥を食べてばかりいるという訳にもいきません。

外食をしなくてはいけなかったり、付き合いもあったり。

ということで、今回は、消化のよい食事。

 

● 消化のよいものとは?

消化のよい食事とは、つまりは、胃での停滞時間が短くてすむ食事のことです。

ですから、普通のごはんよりは、お粥など、やわらかく煮込んであるものの方が、消化がよいわけです。

パンも、フランスパンよりも柔らかいパン、食パンそのままよりも、軽くトーストしてある方が消化がよくなります。

炭水化物は、消化がよいものが多いので、まずは、炭水化物からとるようにしますが、何日も消化のよい食事を続けなくていけない場合、それだけでは、栄養がとれません。

消化のよい、良質なたんぱく質を取るには、卵や乳製品、大豆製品がおすすめです。

卵は、半熟卵が最も消化がよいようです。

牛乳は温めます。

大豆も、枝豆や煮豆のようにそのものではなく、豆腐など加工しているものをとるようにします。

肉は、脂肪の少ない鶏のささみや、牛や豚のヒレ肉を選びます。

野菜は、あくが少なく、食物繊維があまり多くないものを選びます。

どの食材も、生は、避けるようにし、きざんだり、おろしたり、やわらかく煮込んであるものがいいでしょう。

揚げたり、油で炒めてあるものよりは、蒸したり、グリルで焼いてあるものを選びましょう。

 

● 逆に避けたほうがいいものは?

消化するのに、胃に負担をかけるもの、胃の粘膜を刺激するもの。

肉の脂身(ハムなどの加工品も脂肪が多く含まれているのでダメです)、イカ、タコなど甲殻類、貝類、煮込んでも繊維が壊れにくい繊維質な野菜類(ごぼうやきのこなど)は、避けましょう。

また、辛いものや、すっぱいものもあまりよくありません。

あとは、もちろんカフェイン、アルコールも(笑)。

甘すぎるもの、しょっぱすぎるものもダメです。薄味にしましょう。

ちなみに、食べ物ではありませんが、喫煙も、胃に負担をかけるそうです。

 

● 子供のときに、風邪を引いたときに食べたもの。

子供の頃、風邪をひくと、作ってもらった食事は、まずは、お粥。

しかも、白粥。付け合せは、梅干とカツオ節のみ。

次にでてくるのが、薄味のうどん。

これも、かけの状態。

何も具はなし。

少しよくなってきて、やっと、具が入ったおじや(雑炊)や、具入りのうどん。

そして、忘れてならないももの缶詰。

今考えてみると、非常に理にあった食事だったんですね。

ももの缶詰も、風邪のときにしか食べさせてもらえない、私にとっては贅沢品だったのですが、もものシロップがのどにいいだけではなく、果物の缶詰は消化がいいそうです。

こう書いていると、消化のよい食事は、意外に幅がありそうで、しかし、実際に、外食しようと思うとなかなかない、というのが現状です。

先日も、消化のよさそうな食事を、選んではいましたが、ほんとに消化がいいのか?といった感じで。

まぁ、温めれば少しはいいんじゃないかと、焼酎のお湯割を飲んでいたところで、もうダメだとは思いますが(笑)。

消化のよい食事をとらなくてはならないけれども、外食をしなくてはいけなかったり、付き合いがある社会人のみなさま、がんばってください。

ちなみに、ヨーグルトは、消化はよいですが、下痢気味のときには、更に悪化させることがありますので、避けるように、病気などのために消化がよい食事を取るときには、上記にあてはまらないこともありますので、お医者様によく相談してくださいね。