『食の豆々知識』 Vol.89 野菜350g

健康のために食べたい1日の野菜の量は、350gといわれています。

1995~199年の国民栄養調査から、20歳以上の男女のデータを元に、カリウム、ビタミンC、食物繊維の目標量を十分摂取するためには、野菜がどれくらい必要なのかを分析した結果だそうです(参考:厚生労働省のHPより)。

しかし、現状は、まだ平均290gしかとれていないそうで、しかも、その数値をあげているのは、60代。

20~40歳では、250gもとれていないという結果がでています。

CMで、“今日食べた野菜、ラーメンのねぎだけ”なんてフレーズがありましたが、ちょっとどきっとしませんでしたか? (笑)。

今回は、野菜350gの話。

 

● 350g、どんな野菜でもいいの?

緑黄色:淡色=1:2の割合でとるといいと言われています。

gにすると、緑黄色野菜120g、淡色野菜230gといったところでしょうか。

ところで緑黄色野菜って、どんな野菜ですか。

赤や、緑、黄色などの色が鮮やかな野菜?では、なすは?きゅうりは?

正確に言えば、緑黄色野菜とは、厚生労働省が定めた「原則として、可食部100gあたりカロテン含有量が600μg以上の野菜」としています。

なすやきゅうりなどのように、一見色の濃い野菜に見えても、実の色(中身の色)が薄く、カロテンが少ないものは淡色野菜だそうです。

また、原則、とあるように、トマトやピーマン、アスパラガスなどは、カロテン含有量は基準以下ですが、一度に食べる量や頻度が多く、カロテンの補給源として優れているので、緑黄色野菜とみなされています。

同じ野菜でも、部位によって分かれる場合もあります。

大根やかぶの根は淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜に分類されます。

緑黄色野菜のほうが、話題になることが多く、栄養価が高いと思われがちですが、淡色野菜には、免疫力をアップする効果や、食物繊維が多く、また、量が多く食べられる野菜が多いというメリットもあります。

 

● 1日分の野菜を1食で摂取してもいいの?

もちろん、毎食バランスよくとるにこしたことはありませんが、1日の中で、350gの野菜がとれればよし、と、もっとゆるく考えれば、1週間のうちで、バランスよく350×7=2450gの野菜がとれればよしと考えるとよいようです。

例えば、昨日お肉を食べ過ぎてしまったから、今日は野菜をたっぷりと摂ろう、というのも大事な考え方。

しかし、果物や淡色野菜に多く含まれるビタミンCは、体内で蓄積できず、余分はすぐに排出されてしまうので、できれば毎日とる方がいいようです。

生野菜は酵素やビタミンCが摂れますが、量が食べられません。

加熱するとかさが減りますので、量は食べられますが、酵素やビタミンCは減ります。

野菜の種類もいろいろ、調理法も生と加熱といろいろと、野菜を食べる方が、食べる楽しみ的にも、栄養的にもいい訳です。

 

● 野菜ジュースで1日分の野菜はとれるの?

最近は、1日分の野菜などと明記している野菜ジュースが増えました。

ここで、みなさんがお持ちの多くの疑問は、これ1本で350gの野菜の栄養がとれるのか、です。

ジュースに加工する過程で、ビタミンCや食物繊維はほとんどの場合減ってしまいます。

中には、あとで補ってある商品もあるようですが、ほとんどの野菜ジュースは、350g分の野菜の栄養は摂れないといえるようです。

ただし、生野菜を食べるより、カロテンやリコピンは吸収されやすいようで、補助食品として捕らえるのが、いいかもしれません。

350gの野菜を計ってみると、意外に、そんなに量はない、という感想が多いようです。

しかし、それが、毎日となると、なかなか食べられていない。

確かに、外食が続くと、野菜が少ないなぁと感じます。

また、スーパーで買い物をしても、肉よりも魚の方が高く、魚よりも野菜の方が高かったりもします。

なかなか、野菜がとりづらい環境になっていることは事実ですね。