『食の豆々知識』 Vol.103 ロマネスコ
今から、5~6年ほど前、あるイタリアンのお店で、衝撃的な野菜に出会いました。
その野菜は、クリスマス時期でしたので、ツリーをイメージしたのかなとは思いましたが、でも、いぼいぼのとんがり帽子か、はたまた角か、としか見えず…。
その衝撃的な形をした野菜が「ロマネスコ」という名だと知ったのは、その後ネットで調べていて。
そこには、フラクタル形状に、とか、幾何学的に、とか、芸術的に、とか、ロマネスコの形状を表す美しい言葉が並んでいました。
が、全体写真を見た私には、大仏の頭にしか見えず…(笑)。
はぁ、私の感性なんてそんなもんです…。
そんなロマネスコ、ちらほらと、デパートや、ちょっとコジャレたスーパーなどで見かけるようになり、更に今シーズンは、地元のスーパーでも普通に見かけるようになりました。
あいかわらず、衝撃的な形をして…。
ということで、今回は、「ロマネスコ」。
● ロマネスコってどんな野菜?
ロマネスコはカリフラワーの一種です。
イタリア語での呼び名である「ブロッコロ・ロマネスコ」(ローマのカリフラワーの意)に由来しています。
花蕾群の配列が、フラクタル形状(自己相似性)とも言われ、尖った塊が、螺旋を描きながら、いくつも、それも螺旋を描きながら作られています。
かなり特徴的で、野菜なのか、花なのか。
もともとは観賞用だったというのもうなずけます。
ブロッコリーとカリフラワーのあいの子とか、かけ合せた野菜、とも言われていますが、ブロッコリーとカリフラワーの中間のような色(クリーム色から緑の中間色)や形、味をしているだけで、あくまでもカリフラワーの一種だそうです。
が、味がどちらかといえばブロッコリーに近いからか、あるいは緑色のカリフラワーと間違えないようにするためか、呼び名は、ロマネスコ・ブロッコリーが優勢になっているらしいです。
だから、更にややこしくなってるんですね。
● いろんな呼び名があるロマネスコ。
地元のスーパーでこのロマネスコを見かけたとき、名前にびっくりしました。
「やりがい君」。
周りには、ロマネスコの「ロ」の字もない。
「ヤリガイ」に似ているから、ということで、やりがい君と付けられたらしいですが、「ヤリガイ」って何?ほんとにある貝?ということで、必死で調べました。
ヤリガイなんて、知らなかったもんで。
あんまりよくわかってないんで、詳しくは言いませんが(すみません…)、巻貝の一種なんですね。
一応、ほんとに、ある貝みたいです。
確かに、似てるといえば似ていますが、別に「サザエくん」でも、他の巻貝の名前でもいいんじゃないかと…(笑)。
「やりがい」とかけたんでしょうかね。
他にも、「サンゴショウカリフラワー」とか、「連山」 「連山2号」 「うずまき」 「ミナレット」など、形から連想できるものや、「カリッコリー」 「ブロフラワー」など、まさにブロッコリー+カリフラワー的な発想の登録品種名、商品名がいろいろあるようです。
みなさまは、どの名前が1番ピンときますか?
● ところで栄養はあるの?
残念ながら、野菜の王様的なブロッコリーには、ちょっと届かず、カリフラワーにも、ほんのちょっと届かず。
ですが、ブロッコリーやカリフラワーよりもカロリーは低く、ブロッコリーほどではありませんが、ビタミン類、鉄分、食物繊維などの栄養豊富な野菜です。
カリフラワーやブロッコリーなどと同じように、軽く茹でたり、蒸したり、炒めたりして、食べます。
うちの、この間のクリスマスは、このロマネスコを、クリスマスツリーに見立て、温サラダに仕上げました。
しかし!
このロマネスコでやりたいのは、ただ1つ。
やはり、第1印象だった、角。
節分の日は、絶対、ロマネスコを角に見立てて、お皿を飾ってやる、と今から、どう料理しようか、考えている私です(笑)。
今年の、節分に、ロマネスコ、いかがですか(笑)。
あ、ちなみに、旬は、産地にもよりますが、11~2月。
ちょうどですね~。