『食の豆々知識』 Vol.104 粥

先日、胃腸炎になりました。

胃腸炎は、薬飲んで、ポカリスエットなどの水分をよくとっていれば、あとは、できるだけ絶食した方が、早く治ります(たぶん。症状にもよりますが)。

それでも、2日も何も食べずに生活していると、お腹はすくし、ふらふらしてくるので、さすがに何か食べようと(自分のためにお粥つくるのもめんどうくさかったので)、会社帰りの主人に、なんか流動食買ってきて、と、お願いしました。

プリンとか、ゼリーとか、そんなものを期待していたのですが、買ってきたものは、インスタントの豚汁、春雨ヌードル、お茶漬け、そして、フィナンシェにソフトクッキー…。

どこが流動食なの??

私は、ジャンキー食大好きですが、具合悪い時にインスタント食は、あまり手が伸びず…。

買ってきて頂いたことは、ありがたいんですけどね…。

さらに、ビタミンCも、と、お願いしていたら、ビタミンC1000のストロングアップ(キリッと強い炭酸飲料)…。

いや、ちょっとつらいんですけど…。

ま、自分の旦那の馬鹿さかげんは、この辺にして、しょうがないので。お粥作りました。

流動食といえば、お粥。

今回は、ちょっとややこしいお粥の話。

 

● まずは、基本。お粥の炊き方。

①米を洗い、水気をきって鍋に入れる。水を加え、蓋をせずに、火にかける。

②沸騰したら、塩を加える。煮立つか煮立たないかの火加減で、40~50分静かに炊く。

③上澄みが、米すれすれにかぶるくらいまで煮詰まれば炊きあがり。

ポイントは、まず、米を水が澄むまでよく洗うこと。

お粥は、炊く時間が長いので、事前に給水させる必要はあまりありません。

蓋をしないで、炊くこと。

沸騰したら、すぐに火を弱めること。

そして、絶対にかきまぜないこと。

かきまぜると、粘りが出ます。

また、焦げやすくもなります。

糊のようなお粥は、おいしくありません。

おいしく炊けたお粥は、米の一粒、一粒が形くずれることなく、ふっくらとふくらみ、さらりとしてなめらかな口あたりです。

 

● 全粥は10分粥?10倍粥は?

全粥は、10分粥のこと。

米1に対して、水5の割合で炊いたものです。

10倍粥は、米1に対し、水を10倍入れるということ。

これは、5分粥にあたります。

米1に対し、水7は、7分粥。

水10が5分粥で、水15~20が3分粥。

これが、具合が悪い時に食べるお粥です。

3分粥は、できあがりのお米の割合が5%くらいになります。

ちなみに、病院などで、絶食の後、最初にでてくる食事の「重湯(おもゆ)」は、多量の水分を加えてよく煮た薄いお粥の上澄み液のことをいいます。

重湯の成分は、水分と糊状のでんぷんであり、消化がとてもよく、水分と糖分を効率よく補給できるという点で、病人や乳児の食事として、とても理にかなっているのです。

でも重湯だと、ちょっと、さびしいですけどね(笑)。

 

● 雑炊とお粥は何が違うの?

雑炊は、出汁やスープに、具や調味料を加え、飯類を加えて更に煮なおしたものです。

もともとは、「増水」、ご飯の量を水で増やすことからきたとか。

さらりと仕上げるために、炊きたてのご飯か、または、水でさっと洗い、表面のぬめりを取ったご飯を使用するようにします。

ちなみに、中華のお粥は、洗ったお米に油をまぶしから、炊き始めます。

これは、コクをだすためと、お米が割れるようにするため。

日本のお粥とは違い、お米が割れて、花が開くように炊き上げるのがポイントです。

また、途中でかきまぜながら、とろりと仕上げます。

お粥1つとっても文化が違うんですよね。

おもしろい。

胃があまりにも痛く、むかつきもひどかったので、これは…と思いながら、病院にいきました。

すると、先生に、「井上さん、昨年のちょうど昨日、まったく同じような症状で来院してますねぇ。この時期、なんかあるんですか(笑)。」と言われました。

なんか、あるんですか、ね…?(笑)