『食の豆々知識』 Vol.107 50℃洗い

近年、話題になっている『50度洗い』って知ってますか?

野菜でも、お肉でもお魚でも、50度のお湯で洗う調理法です。

え?野菜をお湯で洗うの?

え?切り身のお肉やお魚を洗っちゃうの?と、始め聞いたときは、びっくりでした。

しかし、やってみると、本当に鮮度が違うんです。

今回は、その50℃洗いについて。

 

● 50℃洗いってなに?

50℃洗いとは、その名のとおり、50℃のお湯で野菜などを洗う、話題の調理法です。

考案者は、低温スチームの研究家で有名な平山一政先生。

低温スチームとは、蒸気の温度を下げることで、ドリップが少なく、おいしく、栄養価も高くなるというもの。

低温スチームの研究の過程で50℃洗いを発見されたそうです。

50℃洗いを行うことで、「ヒートショック」という現象がおこり、50度のお湯で葉の表面の気孔が開き、新鮮な状態に戻るということらしい。

 

● 何がすごいの?

その1:鮮度が長持ちする。

野菜がシャキッとし、色が鮮やかになります。

冷蔵庫で保存をしても、50℃洗いをしなかったものに比べ、5日たってもほとんどがしおれずに日持ちします。

その2:菌が減少する。

腐敗菌などがおよそ10分の1に減少するという研究結果も。

その3:アクが消え、旨みがアップする。

これは、野菜に限らず、肉や魚にも言えることです。

魚類は酸化した脂や雑味がとれることで、旨みがアップするらしい。

また、水分量が多くなるため、火を通した後、ふっくらとした仕上がりになります。

ちなみに、肉類は、脂身が流されるため、カロリーも10%ほどダウンに。

他には、お湯で洗うので、泥などの汚れもよく落ちやすいなども。

 

● 気を付けなくてはいけないことは?

肉、魚類は、50℃洗いをしたら、保存せず、すぐに使用しましょう。

ひき肉は、溶けてしまうので、50℃洗いにはむきません。

また、腐敗菌は減りますが、大腸菌や病原菌は60℃以上でないと死滅しません。

50℃洗いした肉や魚は、火を入れる方がおすすめです。

冷凍したものは、凍ったまま、50℃洗いします。

ただ、この50℃洗いは、まだまだ研究、進化途中だそうで、データもきちんとそろっていません。

ネット上などでも、50℃洗いを批判している記事も多くあることは確かです。

でも、私は実際に、自分で鮮度がよくなり、アクが少なくなり、旨みがましたと感じたので、ちょっとおすすめしてみました。

タカコ・ナカムラさん(WholeFoodスクール主宰)が、この調理法を広めていますし。

ただ単に、タカコ・ナカムラさんのファンなんです、私が(笑)。

一度試してみては、いかがですか?