『食の豆々知識』 Vol.108 鉄分①

先日、初めて人間ドッグに行きました。

身長なんて、学生以来です、計ったの(笑)。

びっくりすることに、思っていた身長より、1cmも高かった…??

ここにきて伸びた??と思いきや、かかとに肉がついたんじゃないかという説も…。

それは、おいといて。最後の面談で、「貧血がひどいですね。息切れとか、めまいとか、頭痛とか、この数値じゃ、ちょっと辛かったんじゃないですか?」と、言われちゃいました。

学生の頃から、貧血気味で、献血も断られたことがあるくらいなんで、貧血は出るかなとは思っていたんですが、いつも以上に数値が悪く。

昔から、立ちくらみや、めまいはよくあったのですが、確かに、最近、偏頭痛も多く、疲れやすかったりしていて、年なのかな(笑)と思ったりしていたんですが。

あぁ、それも、すべて貧血のせいだったのかと。

で、再検査になってしまいました。

なので、鉄分の大切さをかみしめながら、今回は、鉄分の話。

 

● 鉄分不足になるとどうなるの?

症状は、段階を経て現れます。

第1段階では、まず、鉄分が不足すると、体内にある貯蔵鉄が使用されます。

第2段階では、貯蔵鉄もなくなり、血清中の鉄分が使用され始めます。

第3段階になると血液中のヘモグロビンの濃度が低下します。

血液検査では、このヘモグロビンの量を調べます。

このあたりまでは、自覚症状があまりありません。

第4段階になると、めまいや、動悸、息切れに加え、頭痛や吐き気、倦怠感などを起こします。

そして最終段階では、

①異食症(氷や泥が食べたくなる)

②さじ状爪(爪が薄くなって反り返る)

③免疫機能の低下(インフルエンザワクチンの効果が得られない、肺炎にかかりやすいなど)

④運動伝達神経の低下(足がムズムズする、ムカデがはっているなどの幻覚症状が起こる)

⑤食道の粘膜の細胞の低下(固形物が食べられなくなる)

などの症状がでてきます。

この他にも、ホルモンのバランスが崩れ、不妊や生理不順などの原因にもなります。

鉄欠乏性貧血は、徐々に進行することが多く、からだのほうが貧血状態に適応してしまい、自覚症状に乏しいことが多いそうです。

最近、食べ物の飲み込みが悪くなった、とか、氷をボリボリよく食べるようになった、など、思い当たることがある場合は、要注意。

 

● どのくらいとったらいいの?

鉄分は、体内に3000~4000mg存在します。

1日に1mg程度が排出されていきますので、その分を食事から補給しなくてはなりません。

ただ、鉄分は吸収率が悪いため、必要量の10倍もの鉄分を摂取しなくてはなりません。

鉄分の摂取基準は、成人男性で1日あたり10mg、女性では12mg(妊娠中は15~20mg、閉経後は10mg)です。

ただし、貧血の症状が表れている場合は、貯蔵鉄の分も補わなければならないので、上記以上の量の鉄分の摂取が必要となります。

貧血は、ダイエットなどによる鉄分の摂取量が少ない他に、鉄分の需要が普通より多い場合(妊娠や授乳期、月経過多など)に起こります。

また、胃の切除によるビタミンB12欠乏、再生不良貧血、肝臓や腎臓などの病気に伴う貧血などの原因もあります。

すべてが、食事で改善されるわけではありませんが、普段からそうならないよう、気をつけなくてはいけませんね…。

次回は、10mgの鉄分を吸収しやすくする方法と、逆に吸収を邪魔される摂取の仕方、過剰な摂取はどうなるか、などをお話していこうかと思っています。