『食の豆々知識』 Vol.149 ほおずき

小さい頃、ほおずきの実を顔の部分にし、折り紙で、着物を着せてほおずき人形を作ったり、ほおずきの中身を出して、音をならしたりして遊びましたが。

まわりにそれを言ったら、そんなことしてないと。

年、近いのですが…。

きっと、私はおばあちゃんっ子だったので、そんな影響もあるのかもしれません。

そんなほおずき、食べられるとは昨年まで知らず。

実はほおずきっておいしいんです。

今回は、そんなほおずきの話。

ちなみにほおずきは、「ほほ+つき」からきているようなので、ほうずきではなく、ほおずき。間違えないように(←自分に言い聞かせ)。 

 

●小さい頃遊んでいたほおずきは、実は食べられたの?

ほおずきは、淡い黄色の花を6月頃に咲かせます。

花が咲き終わるとがくが果実を包み袋状になります。

これがほおずき。

熟すときれいなオレンジ色になりますね。

7月頭に開かれる浅草のほおずき市は有名です。

うちは、毎年祖父がほおずき市で、ほおずきを買ってきていたので、上記のような遊びを普通にしていたのかもしれません。

でも、そのほおずきは食べられません。

ほおずきは、ナス科。あ~、確かに、と食べられそうですが、実は観賞用と食用と品種が違います。

日本では、観賞用がほとんでしたが、ヨーロッパなどでは、昔から食用として栽培されていて、それが日本に入ってきたようです。

食用の方が、うすいみかん色の実をしています。

 

●で、ほおずきっておいしいの?

もちろん中の実を食べるのですが。

なんともいえない、独特で濃厚な甘酸っぱさが口に広がります。

海外ではストロベリートマトなどと呼ばれ、高級フルーツとして扱われています。

確かに、フルーツトマトのような感じです。

日本では、「恋どろぼう(秋田)」「太陽の子(北海道)」「ほおずきトマト(愛知)」などのブランドがあります。

収穫は7月頃から始まりますが、旬は、秋。

でも今年は早かったようで、もうなかなか手に入りません(あ、こんな時期にコラムを書いてすみません…)。

ハウス栽培もしているようなので、1年中手に入れようと思えば手に入るそうですが。

まだなかなか…。

サラダに入れたり、ジャムにしたり、ソテーにしたり、と様々なところで活躍するのですが、もったいなくて、ついうちではそのまま食べることが多いです(笑)。

それでもおすすめは、チョココーティング。

がくの部分をめくって、溶かしたチョコレートに実をつけて、コーティングします。

ディップでもいいですね。

子供たちにも、大好評。

まぁ、子供たちにはとても贅沢でなかなか食べさせられませんが(笑)。

 

●アンチエイジングで人気?

実は、最近、このほおずき、アンチエイジングとして、海外で人気となり、もちろんその波が日本にも少々きています。

ほおずきには、ビタミンA、ビタミンC、鉄分、βカロチンなどが多く含まれ、それだけでももちろん美容に言い訳ですが。

話題となったのは、「イノシトール」という成分が含まれていること。

イノシトールには、気分を落ち着ける作用、脂肪の貯蓄を防ぐ作用、そして、エイジングケアとして老化抑制効果が認められています。

特に保湿効果が高く、シワやたるみの改善に働きかけるとして、化粧品にも配合されています。

ちなみにこのほおずき、茎や根の部分を酸漿根(さんしょうこん)などという名の漢方薬としても扱われています。

咳止め、解熱剤、鎮静剤などとしても処方されます。

しかし、この漢方薬、江戸時代には堕胎剤としてつかわれていたそうで、今でも妊娠中の女性には服用しないように言われています。

エイジングケアとしてはいいですが、妊娠されている方、またはされていない方も大量に摂取するのはお気を付けください。

 

観賞用のほおずきは毒性が少し強いのと、すっぱくて食べられたものではないそうですが、その観賞用のほおずき、蚊が大好物なのをご存知ですか?

ほおずきの実を使って人形を一生懸命作っても、次の日には、蚊にさされ、実がしぼんでいることが多かった悲しい思い出を思い出しました(笑)。