『食の豆々知識』 Vol.190 気虚体質

前々回のお話になってしまいましたが、体質判断のチェックシートを載せさせて頂きました。

ご自分の体質はこれかな~というものがありましたでしょうか。

完全に健康な平和体質の方は、今までお話ししてきた季節の身体の調え方を中心に、まんべんなく色々な食材をとることをお勧めします。

そして。

他の体質だった方は、これからひとつずつ、気をつけることをお話しさせて頂ければと思っております。

今回は、「気虚体質」について。

 

●気虚体質とは

「気」(エネルギー)が消耗しすぎたり、不足したりして、臓器の働きが虚弱になっている体質です。

特徴としては、顔色が白っぽい、黄色っぽい、無気力、めまい、忘れっぽい、疲れやすい、風邪をひきやすい、声が小さい、息切れ、汗をかきやすい、倦怠感、食欲不振、腹部の膨満感、むくみ、軟便、下痢、頻尿、尿漏れ、などが挙げられます。

気虚体質の方の舌は、白っぽく、厚みがあり、歯根、白い舌苔があることが多く、脈はゆっくりとしていて弱いです。

 

●気虚体質の薬膳処方

「気」(エネルギー)が不足しているため、気を補い、臓器の働きを高める「補気類」の食材を使用します。

また、補気類のものでない食材は、温性・平性のものを選び、身体を冷やすものは避けるようにします。

同じように、甘味のものを中心に摂取し、辛味のものは胃腸を痛めやすいので避けるようにします。

補気類のものばかり摂取していると、気が滞りやすいので、「理気類」の食材を加え、気をめぐらすようにします。

汗をかきやすい方や、下痢、頻尿の症状がある場合は、身体に溜め込む力が弱いことが多いので、「収渋類」の食材をプラスします。

つまり、身体が弱っているので、胃腸に優しいものをとって(補気)、それだけだと重いので、めぐらせるものを加えましょう。

あとは、きゅっと身体の中にとったものが吸収しやすいようなものをとりましょう、ということですね。

 

●気虚体質によい食材

今までに何度も出てきてますが、確認です。

補気類:キャベツ・じゃがいも・山芋・かぼちゃ・カリフラワー・ブロッコリー・いんげん豆・きのこ類・栗・桃・鶏肉・牛肉・カツオ・鰯・鯖・鱈・すずき・うるち米・もち米・はちみつなど

理気類:玉ねぎ・らっきょう・グリーンピース・そば・かんきつなど

他に生姜・紫蘇・パクチーなど香りのよいものも気のめぐりを促進します。

収渋類:はすの実・レモン・ざくろ・梅干し・ナツメグなど

これらを組み合わせて、摂取するようにします。

ちなみに、この体質の方によく処方される漢方薬は、「四君子湯(しくんしとう)」です。

これは、補気類の人参(漢方薬の人参)・白朮(はくじゅつ)・甘草(かんぞう)と、去湿類の茯苓(ぶくりょう)の食薬からできています。

茯苓は、健脾(胃腸の働きを助ける)役割と、めぐりをよくする役割があります。

薬膳処方は、基本は、漢方薬から考えることが多いです。

しかし、この漢方薬は、茯苓の利尿作用もありますので、この漢方薬を飲むことで、少しトイレがちかくなることもあります。

そうやって見てみると、薬膳っておもしろくないですか?笑笑