『食の豆々知識』 Vol.203 バタフライピー

この春のドラマに「ネメシス(日テレ)」というのがありまして。

櫻井翔と広瀬すずがやっている探偵もののドラマなんですが。

そこに、青いタピオカラーメンってのがでてきました。

見事なほど鮮やかな青い汁のラーメン…。

ラーメンが青くて食欲をそそるかどうかは別の話として。

最近そんな真っ青な〇〇というのが流行っています。

その火付け役?でもあった「バタフライピー」が今回の話。

 

●バタフライピー?バターピーナッツのこと?

 

バタフライピーは、バターピーナッツとは全く関係ありません。

でも初めてこの言葉を聞いたとき、実は私が思ったことです…。

原産国はタイで、真っ青なきれいな花を咲かせる薬用ハーブです。

花が蝶のような形をしていることから「バタフライ」、マメ科の植物であることから「ピー(豆)」で、「バタフライピー」。

日本では、「蝶豆(チョウマメ)」、そのままですね(笑)。

このハーブを使用したハーブティが、真っ青できれいなこと、レモンを絞ると色が変わること、女性にうれしいさまざまな効用があること、台湾で流行ったこと(ここ大事 笑)などから、昨年?一昨年くらいからですかね?日本でももれずに話題となりました。

バタフライピーを使用したハーブティは、バタフライピーティが正式名称ですが、ハーブそのものよりも、ハーブティが先に話題となった日本では、ハーブティのことを「バタフライピー」と呼んでいることが多いです。

 

●真っ青なハーブティにレモンを入れると?

 

ハーブティは、フレッシュの花の場合は、3~5ケ、乾燥の場合は、袋の裏の表示に沿って、通常小さじ1~2杯をポットに入れて、お湯を注げばOK。

経験上、お湯は熱湯より少し冷めた80℃くらいものの方がきれいに色が出るようです。

入れたてのバタフライピーは、鮮やかな青。この派手な色の割にはくせがなく、と言うと聞こえはいいですが、味がほとんどなく(笑)、一般に蜂蜜やレモンを入れて飲みます。

そして、レモンを入れると…。

みるみるうちに今度はきれいな紫に早変わり。

この変化がきれいなので、お店ではレモンを目の前で絞って入れてくれるか、自分で絞って入れます。

この化学反応。

赤しそを梅酢に入れると鮮やかな赤紫になのと一緒です。

ん?例えがわかりづらいですかね?

昔、紫キャベツとかで実験しませんでした?

入れるものによって、赤くなったり、緑になったり。

それです。

すべて「アントシアニン」によるもので、アントシアニンは、酸性のものを加えると赤に、アルカリ性のものを加えると緑や青に変化します。

バタフライピーは、このアントシアニンの含有量が多く、また、アルカリ性よりなので、鮮やかな青から、酸性のレモンを絞ると赤紫に変わるわけです。

タイ人の女性はみんなマイボトルで持ち歩く?


バタフライピーの効用として。

  1. ①眼精疲労:アントシアニンはポリフェノールの一種ですから、目にいいのはなんとなくわかりますよね。
  2. ②美白・美肌効果:ビタミン類が豊富で、シミやくすみの元となるメラニン色素の沈着を抑え、また、アントシアニンがハリと弾力を与えてくれます。
  3. ③アンチエイジング効果:アントシアニンは、抗酸化作用にすぐれています。肌をはじめとする身体の老化を加速させる活性酸素の働きを抑えてくれます。
  4. ④がんや生活習慣病の予防:血液循環作用にすぐれているため、さまざまな病気の予防に効果があるといわれています。

などがあげられます。

これは、マイボトルに入れて持ち歩きたくなりますね(笑)。

ただし、血液循環作用にすぐれている分、抗血栓作用や、血栓溶解作用もあります。

そのため、妊娠中や生理中、また、手術後やそういった薬を飲んでいる方は、ご注意ください。
 
最近ではこの天然色素を使用した青いチョコレートやプリンなどのスイーツが人気です。

鮮やかな青がこれからの季節、さらに話題になりそうです。

何度も言いますが、ネメシスの青いタピオカラーメンが、どうかはわかりませんが…(笑)。