『食の豆々知識』 Vol.208 ジュニアアスリートフード

私事になりますが。

本日、高3の息子の大会がありまして。高校生活最後の試合となり引退となりました。

高校から、なぜか突然入ったラグビー部。

学年1小さかった息子の身体は、3年間で20㎝伸び、体重も20㎏増やしました。

昔のように、ただひたすら白飯を食え、という時代ではなく、身体や時期に合わせて食事の内容を変えなくてはいけません。

そんなアスリート飯も今日で終了。感慨にふけりながら、今回はそんなアスリート飯のさわりの話(じっく話すと大変なことになりますので笑)。

 

●まずは必要なカロリーを考える

 

1日に必要なカロリーをまず計算してみましょう。

「体重×基礎代謝基準値×身体活動レベル」で基本の必要カロリーはでます。

基礎代謝基準値は年齢によって決まっていて、例えば高校男子だと「27」となります。

身体活動レベルは、日常生活による数字で、無駄な動きの多い(笑)高校男子だと、「移動や立位の多い仕事への従事者あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合」にあたり、「2.0」となります。

私だったら「生活の大部分が座位で、静的な活動が中心」の「1.5」かな(笑)。

これに、部活やスポーツをがんばっている人は、更に「体重×METS×時間」が加わります。

METSは運動によって異なり、卓球などは「4.0」、サッカーやテニスは「7.0」、階段ダッシュやハードなトレーニングは「15.0」。

例えば、16歳、体重50㎏が3時間のラグビー部活動をした場合、その日の必要カロリーは4200kcalとなり、これを食べていてちょうど。

55㎏まで体重を増加させたい場合は、4620kcal必要となります。


これが例えば70㎏の水球部などとなると、8000kcalが必要になり、食べても食べても太らない、という現象が起こる訳です。

うらやましい限りで...(笑)。

 

●プロテイン飲料は必要か


さて、では、たんぱく質はどのくらい必要かというと。

一般に「体重×1.5÷1000g」。

激しい運動量がある場合や、筋肉を増やしたい場合は、真ん中の数字を×2.0~2.5に。

これは、必要なタンパク質の量ですので、肉や豆腐の量ではありません。

ざっくりですが、例えば50㎏で、筋肉量を増加させたい高校男子の必要たんぱく質は、125g。

これを肉に換算すると600g、魚だと900g、大豆製品なら2000㎏となります。

これだけの量を1日でとらなくてはいけない訳ですが、1回で消化できるたんぱく質の量というものも決まっていて、高校生男子なら肉150gくらい。

それ以上は、摂取しても吸収しづらいため、1日に4~5回に分けてとるようにします。

また、たんぱく質だけでは吸収してくれないため、たんぱく質の約2倍のビタミンや炭水化物も必要となります。

体重が50㎏ならいいのですが、これが100㎏に近くなると、摂取するのがあまりにも大変で、市販のプロテイン飲料に頼らざるを得なくなる訳ですが。

あくまでも、不足分を補うくらいがいいと思います。

 

●試合の日の朝は何食べる?


これだけのたんぱく質とカロリー(エネルギー)を栄養バランスよく1日に摂取していく訳ですが。

効率的に摂取するために、必要な時間帯に必要な栄養を取り入れるようにしたいですよね。

特に、練習後すぐの炭水化物、たんぱく質の摂取、寝る直前のカルシウム、たんぱく質の摂取は、よく言われていることです。

また、試合前は、エネルギー切れにならないよう、炭水化物を増やし、消化に悪い脂質はできるだけ減らしていきます。

試合前夜に、とんかつなんて、もってのほか(笑)。

中学の野球部の時から、うちは、試合の朝は、おにぎりにしていました。

クエン酸や塩分補給の梅干しおにぎり、カルシウム補給の鮭やしらす、ミネラル補給のわかめなど。

そしてこれら炭水化物の摂取は、試合3時間前までに済ませます。

試合直前は、糖質やバナナ。

消化の早いゼリーなどが役に立ちます。


身体を作るためには、食べることが必要で、その内容ももちろん大きく関わってきます。

野球部だった中学3年間と、ラグビー部の高校3年間は、必要なエネルギーも内容も異なり、1番多い時には1日に6食、栄養を考えながら作っていました。

さて。それが成果にでたのかは、別の話で...(笑)。