『食の豆々知識』 Vol.213 ナポリタン

私ごとではありますが、本日、息子の部活の引退式が学校でありました。

久々に学校に行き、その前にお昼ご飯を食べようと、懐かしい雰囲気の洋食屋さんを見つけに入りました。

学生向けなのか、ジャンボカツカレーかハンバーグミックスフライとか、かなりボリューミーなランチが並び、さて何にしようかと悩んでいたところ、目に入ってきたのが、「ナポリタン」。

私が食べたかったのはこれだ!と注文。

ナポリタンには、粉チーズとタバスコが添えられ、サラダとお味噌汁まで付いてきました笑。

あぁ懐かしい。

ということで、今回は「ナポリタン」。

 

●ナポリタンって何語?

ナポリタンは、茹でたスパゲティを玉ねぎ、ピーマン、ソーセージなどの具材と一緒に炒め、トマトケチャップで味付けをした洋食のこと。

もちろん日本発祥で、ナポリには、ナポリタンはありません笑。

イタリア風とか、ナポリ風とかは、当時スパゲティやグラタンなどの料理に付けられていた名称であり、ナポリでそういう料理があったから、という訳ではないんですね。

もともと、ナポリタンは、トマトソースを使用していたようですし、それが、アメリカ人がパスタにケチャップをまぜて食べていたのを取り込んで、ケチャップ味になったとか。

もう、ごちゃごちゃです笑。

ついでに言えば、「スパゲティ」も最近まで、パスタ料理すべてを「スパゲティ 」と呼んでいる傾向にありましたが、「スパゲティ」は、ロングパスタの1つの種類の名前です。

パスタには、太さや形によってそれぞれ名前があります。

それは、うどんとそうめんとひやむぎのようなもので。

でも、それをすべて一緒にして、ロングパスタは「スパゲティ」、ショートパスタは「マカロニ」と呼んできてしまったんですね。

 

●ナポリタンは炒めるのが正しい?

今や、パスタは茹でたてが当たり前で、アルデンテが当たり前になってきていますが。

当時の洋食屋や喫茶店では、調理時間の短縮のために麵を茹でて置き、注文が入ってから具やケチャップと合わせて提供されていました

(今もそうしているところももちろんあり)。

麺が固くなるのを防ぐため、麺は芯がなくなり柔らかくなるまで茹でてから、冷蔵庫で保管し、提供するときには、乾燥を防ぐため、油でコーティングするように炒めるという調理法があみだされました。

浅田次郎も、エッセイの中で「正統のナポリタンは、アルデンテなどであってはならぬ。

きのう茹で上げて冷蔵庫で眠っていたような、ブヨブヨのスパゲッティが好ましい。

それを少々の玉葱とウインナーソーセージの薄っぺらな輪切りと、真っ赤なトマトケチャップで炒める」

(参考:「パリわずらい江戸わずらい」小学館)と言っています笑。

ちなみにうちでは、ミートソースの時も、スパゲティを茹でてから、一度バターで炒めて、その上にミートソースをかけて食べるのが好きなようです

(間違っても、ボロネーゼではありません。

ミートソーススパゲティ)。

 

●他にナポリタンのような日本発祥の食べ物はある?

「オムライス」や「ハヤシライス」も実は、日本発祥の洋食です。

また、「フライドポテト」や「アメリカンドッグ」は日本が勝手につけた和製英語のメニューです。

探せば、もっといっぱいあります。

どれも、海外でドヤ顔で注文しても通じません笑。

昔、マクドナルドでバイトをしていた時に、英語しか話せないお客様相手に、サイドメニューを「フライドポテト?OK?」と言ってしまい、「?」な顔をされた上、「Oh.フレンチフライ」と言われたこと思い出しました...。

 
うちのナポリタンは、バターでスライスした玉ねぎとピーマン、シャウエッセンを炒め、そこに柔らかめに茹でた(あるいは、冷蔵庫に残っていた)スパゲティ(あえてパスタではなくスパゲティ)を加えて炒め、最後にデルモンテのケチャップで仕上げます。

これでずっと育ってきているので、私が作るのもこれです。

今日のナポリタン、おいしかったのですが。

玉ねぎの切り方とか、たぶんケチャップの種類とかがうちと違って。

やはり、うちのナポリタンが1番おいしいと思ってしまったのでした笑。