『食の豆々知識』 Vol.217 辣油

私ごとですが。

私が家でやっている料理教室の中で、リピートが多いものに「麻辣油&食べるラー油作り」があります。

先週もこの教室を3日ほど開いておりまして。

その時に、「ラー油は納豆にかけて食べるとおいしいんです。

ぜひやってみてください」とお伝えし、皆様びっくりされていたのですが。

先日、コンビニに行ったら、「7月10日は納豆の日」と、何種類かの納豆巻きが並んであり、なんどその中に、ラー油納豆巻きが...。

なんだ、私がずっと言っていたのに。

と思いながら、今回のお話は、辣油(ラー油)について。

 

●中国の辣油と日本のラー油は違うの?

辣油とは、油に唐辛子の辛味をうつした香味油のことで、辣(ラー)とは、唐辛子の熱を持つ辛さのことを言います。

日本のラーメン屋や、市販の商品でよく見られるラー油は、「赤い色のついた辛味のある油」というイメージですが、中国の辣油は、油と同じくらいに唐辛子の粉が入っていて、使うときにはよく混ぜてその粉とともに使用します。

中国では、辣油は、油、というより、調味料です。

 

●ラー油ってどうやって作るの?

辣油のつくり方は、いろいろありますが、簡単なのは、ボウルなどに唐辛子の粉を入れ、熱々に熱した油を注ぎます。

唐辛子の粉は、粉末のものだと焦げてしまうので、粗びきがおすすめです。

また、熱々の油注ぐわけですが、この時に、唐辛子が乾燥のものを使用している場合は、水を少し加えて、粉の唐辛子をしっとりさせておくことがポイント。

しっとりさせておかないと、これまた焦げる原因となります。

油の熱し方が甘いと、油っぽくなるので、それも注意が必要です。

油は、ごま油が主流のように思われておりますが、本場中国では、唐辛子の香りを生かすため、菜種油などの色の白い、香りの少ないものを使うことが多いようです。

私は、ごま油の香りが好きなので、ごま油で辣油をつくることが多いですが。

 

●香味油って?食べるラー油って?最近聞く麻辣油って??

油に香りを付けたものが香味油。

つまり辣油は、香味油の中の1つです。

2000年くらいまでは、「赤い色の付いた辛味のある油}であったラー油が、2000年を過ぎると、きちんと唐辛子の粉が入っていたり、ごま油を使用したりと、こだわりのラー油も作られ始めます。

このこだわりのラー油ブームの火付け役は、なんといっても「石垣島ラー油」なのではないかと思いますが。

そして2009年、桃屋が発売した「辛そうで辛くない少し辛いラー油 食べるラー油」が大ヒットしたのは記憶に新しいかと。

食べるラー油は、辣油に、玉ねぎやにんにく、カリッとした食感のナッツ類などを加えて、調味料を加えたもの。

そして、その頃から、ねぎやニンニク、七味唐辛子などが入った香味ラー油も見られるようになり、その中で、麻辣油がここ近年で大人気に。

麻(マー)は、花淑の辛さで、唐辛子の辛さとは違う、舌がビリビリとしびれる辛さのことです。

花淑は、中国の山椒ですが、日本の山椒ともちょっと違う、独特の香り、しびれがやみつきになると言われています。

先ほどの納豆の日のラー油納豆巻きは、人気商品となるのでしょうか...。

ちなみにうちの娘は、納豆には、ナンプラー、麻辣油で食べるのが1番らしいです...。