『飲食店 繁盛ダネ!』 その二十九

先日、アメリカからのニュースで日本の飲食企業〇〇がセクハラで訴えられて24億円も慰謝料を請求されているということを聞きました。なんでも調理場の料理長とその部下が原因のようです。日本の女性は我慢してくれることでもいいえ我慢させられていることでも、通用しない世界があることを我々は認識しなければいけませんね。スタッフには人としての教育もやっぱり必要ですね。

女性ターゲットの料理

先日、コンサルティングの依頼のあった寿司店に行った時のことです。
「先生、女性狙いのメニューを考えてスタートしたんですがさっぱりです。ランチのターゲットに主婦を中心とした女性を呼ぶことを考えて1280円でお得なように作ったんですけど・・・」
 
店主は納得がいかないと言う感じで首をかしげながらお昼のメニューを見せてくれました。
いくつかランチメニューが載っていましたが1280円のメニューはなるほど写真も他の商品より大きく、かなり強調されていました。

「これじゃ売れませんよ。看板商品は思い込みやこだわりで始めますが出来上がりはお客様の支持ですからそのお客様のことを解っていない店主の商品は看板にしても売れませんよ」

一見すばらしく見えるその商品は、大きなどんぶりにたっぷりなご飯、具沢山に海鮮が盛られセットに味噌汁、おしんこ、フルーツの付いた御膳スタイルというものでした。海鮮の部分は、なるほど彩り鮮やかで女性も喜びそうです。フルーツも女性は好きでしょう。でもそれだけです。

「女性は商品判断をする時に商品の見た目だけを基準にはしないようですよ。自分の食べているときのスタイルも考えます。どんぶりを手に持ってかきこむような食べ方を人に見られることはしたくないものです。当然ですよね。また食事に対してもレジャー意識が高く、おしゃべりを心置きなくできる時間もご馳走です。環境(個室感覚の仕切りや音楽、装飾)にも敏感です」

私は次のように提案しました。
1スタッフ(板前)の接客をいらっしゃいませから変えましょう。今のままだと威勢のよさが威圧感や怖さに感じます。特に出迎えは女性がするとベスト。

2商品の単価を少し上げても、その分ちょっと箸を動かせる前菜を考えましょう。サラダでもいいですね。そしてそれはメインのどんぶりが出る前に出しましょう。

3大きなどんぶりの隣に小さな茶碗としゃもじをつけましょう。どんぶり片手に口に頬張るのは敬遠するのではないでしょうか。

4フルーツは食事が終わってから出しましょう。その際女性は2人以上で来るのが多いでしょうからお茶は急須で用意してあげましょう。

5滞留時間が長くなることを覚悟しましょう。その代わり単価が高くいただけるのです。

ターゲットが決まったらその特性を理解して商品のこだわりとマッチさせないと売れないと言うことでしょう。商品とお客様の間にはミスマッチは通用しないと言うことです。
ではまた。