石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その四十五

独立したばかりの同業コンサルタントから「先生、最近地方に行くと元気が無いお店が多い気がしますが、どうですか?」と声をかけられました。

確かに地方からの依頼が増えています。

都市部と地方の経済的地域間格差がかなり影響しているのでしょうか。

ただ毎度のことながら業績があがらないお店に伺って感じる共通することがいくつかあるんですね。

今回はその中でもオープン時の動きが影響することについてちょっと述べてみました。

『ダメなお店には必ず原因がある』の一例

ダメな原因がわかれば、その処方箋を提示するのが石田の仕事です。

運営の手法手段が間違っている場合は、対症療法を、根本的にずれている場合はコンセプトから練り直しの大手術というわけです。

ただ、やりはじめて5年以上の場合は、時代とともにずれてそこに至ったというケースなので解りますが、オープンして半年もしないうちにズレているお店もあるのです。

まして驚くのは、経営者に会ってみると、大手チェーンなどの経験も豊富にあり、勉強も良くしていて理論家だったりするのです。

石田がいつものお調子で店の内容を批判し始めるとムッとして機関銃のように反論してくる場合もあります。

頭の良い方は自信がありますし、プライドも高い、自分が勉強している「今」の知識が新鮮で一番だと思っていますから、素直に聞くことが何か負けたような気になるのでしょう。(冷静になった最後はとてもいい会話ができるのですが)そこはそうさせた石田の反省なのですが・・・

ですが、なぜ優秀な彼が現況そうなってしまったのでしょうか。

答えは“あせり”です。

準備期間では余裕をもった心でコンセプトの作成に入っていますから、全体コンセプトにはブレがありません。

ところが、オープンが近ずくにつれ、資金の調達・商品や価格・店作りの図面打ち合わせ・施工の費用交渉・人材の発掘・細部の調達品の手配や段取り・コンセプト調整などなどと短期間にドッとやることが増えるわけです。

どんな理論家もオープンがギリギリとなると少なからずパニック状態になったりするのです。

理論どおりに事は順序よくやってきません。ましてはじめてお店を開けるとなると尋常ではありません。

開店させる、期日に間に合わせるということが目的となって具体的な準備とお金の計算ばかりに頭が行って、本来想定検証しなければならないコンセプトは置き去りになってしまうのです。