石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その五十

建築業界につづき不動産業界も不況で、秋からは投売りだなんて声が聞こえてきていますが、流通のイオングループまでこれから半年で40店舗を選定して3年での閉鎖を決定したようです。

なんだか消費不況まで重なりそうで相当不安ですねえ。

拡大路線や大量販売、巨大化で来たところは崩壊の危機におびえているようです。欧米型の資本主義や理論ばかりをもてはやしたツケでしょうか・・・

稼ぎ三割仕事七割

昔がすべて良かったというわけではありませんが、江戸時代に暮らす人々はリサイクルやエコに関してかなり良いシステムを持っていたというのはよく知られてきたところです。

世の経済も非常に人間的で大が小を飲み込むことをよしとせず、金が金を生むような考え方は少数意見だったようです。

一般の庶民や商人は“稼ぎ三割仕事七割”といって、金のために仕事をするのは自分が暮らすに充分をものがあればよい、そのための稼ぐ仕事は三割、その他の仕事とは隣近所のお年寄りの面倒や、身体の不自由な方の世話、街の橋が壊れていたら修復に参加するなど地域の貢献を重要な仕事ととらえていたようです。

現代の経営者に稼ぎ三割は通用しないとは思いますが、地域に貢献する意識や地域の住民との交流など積極的に参加するなどの活動が、事業の拡大や巨大化より、十分生き残る手段になるのではないでしょうか。

たくさん儲けてたくさん税金払って「おれは社会に貢献しているんだ」と胸を張るのは「儲けるのは悪いことですか?」って記者会見で言ったあの人のようであんまり尊敬できません。

儲けるのは悪いことではないけれど、一番だというのは何か釈然としません。

案の定みんな今おかしなことになっていますね。

店の近くの公衆トイレを掃除したり、地域の子供会に参加したり、少年サッカーや野球の監督やコーチをしたり、小学校に店の料理を教えに行ったり、老人ホームに寿司を握りに行ったりなどをしている経営者をみると意図してやっているわけではないけど愛される店になっているのはきっとこれに準じたお客様を大切にする商売をしているのだと確信するのです。

身近な親や子供、親戚や頑張っている社員、近所の方々を大事に考える行動が、店や会社の存続を長い歴史に変えていくような気がしますね。