石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その五十五
新たな年がまた始まりました。
2009年はいつにも増して激動の時代になると言っている方が多くいるような気がしますが、だとしたらチャンスもたくさんあるということですね。
大手も店を閉鎖閉鎖だし、庶民は金が大きくかかるものは控えるのだから、個人店の出番は増えるのです。
こんな事を言っていると「石田はノー天気なアホか!?」って声が聞こえてくるようですが、石田だって、ただ個人店はいいって言っているわけではありません。
安心・安全・本物・単純化(標準化)の「アン」「ポン」「タン」をプロデューサー(製作責任者)として考える力のあるトップのいる個人店が強いと言っているのです。
拡大路線を牽引するリーダーの時代はしばらくストップでしょう。
単純化をノウハウとして走りつづける事はもうできないということです。
手造り本物感の実感
去年あたりから食材の生産者の方からのアプローチが増えてきました。
野菜・肉・酒・魚・みそ・豆腐etc…。
飲食店にとっては大切な食材をより良い物にまたより安く仕入れたいのは人情です。
石田も生産の現場にいく度か足を運びました。
長野の農園では栽培されているトマトやピーマンをその場でかじり、生産者のお話を聞きました。
タイヘンな苦労や工夫をされているようですが、笑顔で話されるその姿に感動し、蔵元の「飲み切り」という試飲の場に立ち会わせていただいたときには、その生産者の真剣さに感銘を受けました。
豆腐の老舗では、伝統の技術と精神を守る社長に好感を持ちました。
こんな素晴らしい方々の創り出した材料を我々飲食店はお客様に提供しているのです。
この事を飲食店は知らなければいけないし、またこういう素晴らしい食材を見つけなければいけませんね。
できれば、皆さん生産の場に足を運んでいただき、その情報と共に商品をお客様に提供して本物感を更に強く演出していただきたいと思うのです。
まじめにコツコツと真剣に取り組む生産者の姿勢と個人店の毎日の努力は情報として発信され、お客様が知った時、大きな相乗効果として現れるのではないでしょうか。
こんなことを書いていたら今「マクドナルドがクォーターパウンダーでさくら演出」というニュースが飛び込んできました。
どうやら1000人もの並び屋をアルバイトで雇って行列を作る演出をしていたようです。
では一日の売上1000万円の新記録というのもウソでしょうか?
昔、ホブソンズがやって有名になったやり方ですが、あのバブル期は何でもありだったのですが、今の時代は違いますよね。
姑息な手段は信頼を失います。
正に生産者の顔にドロを塗るような行為であり、消費者をだます事としてとらえられるのです。
大きな会社の社長さんは気がつかなかったんでしょうね。