石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その六十六

「また、やってしまった。」

ため息をつきながらイシダはつぶやいたのでした。

銀行のATMでお金をおろして忘れてきてしまったのです。

数万円ですががっかりです。

妻はあきれ顔で「また!?ホントに学習能力がないわね。」と。

そうなんです。

今年は特にひどい、携帯電話は新幹線と駅に紛失二回、財布は居酒屋と中華店にそれぞれ一回ずつ、とどめがATMですから妻が怒るのも無理ありませんね。

あ、病院にキーホルダーっていうのもありました。

「そのたびに、多くの人に迷惑かけてるんですから、いい加減にしなさいよ。」

多くの人に迷惑かけてる・・・

 

『「忘れる」は大きな損失』

個人的なことはさておき、会社や店で考えるとどうでしょう。

顧問店でもよく起こるのですが社員がやるべき仕事を忘れたとしたら・・先日顧問店の社長がミーティングで議題にしたことがありました。

「朝の用意ができていないためにピーク時に支障が出ている、それが一度ならず何度も繰り返されている、あれが足りないこれが足りない、やることをチェックし忘れ、仕込みや段取りを忘れてあたふたすることが多すぎる。対策をしてもらいたい」という趣旨でした。

別の店では訪れたとき顧問店の社長が機嫌悪そうに、

「聞いてくださいよ先生、今日大切なお客様が早い時間にご来店いただいたのですが、なんとご飯がなくて大恥をかきました。炊飯器のスイッチを入れ忘れていたらしいのです。まったく・・」

たまたま忘れる、つい忘れることは、めったに起こらないので意外とそのままにしているケースが多いものです。

ところがその「たまたま」や「つい」が人に迷惑をかけているんですね。

店の場合は一番大切なお客様に迷惑をかけていることにつながるわけです。

「たまたま」や「つい」がそのたび確実にお客様を失っているとしたら、また仲間の信頼を失っているとしたら大変な損害をこうむっているということです。

損害が小さいうちに「忘れないシステム」を構築する努力をするべきでしょうね。

石田も「携帯・財布・キー・定期、全部首から下げたらいかが!?」という新システムを提示されていますが別案を思案しております。

ちなみにATMを含め財布も携帯も全部見つかって戻ってきたものですから「やっぱりオイラは運がいいなあ~」と思わず言ったら、「そういう問題じゃないでしょう!!」と怒られました。

ホント真剣に考えないと。

ではまた。