石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その六十八

「幻想や幻聴が出たらどうしょう」

「ばっかじゃないの、子供じゃあるまいし!」

不覚にも先月、風邪をひいてしまい、さっそく医者に行ったところ無情にも「新型ですね」と言われ、驚きつつタミフルを貰って奥さんに報告したところ、冒頭の会話となったわけです。

普段、顧問店の社長と飲みながら「元気が出ないときは、タミフルでも飲めば、幻想が見えて身体も活発になるかも。インフルエンザも役に立つことがあるじゃねぇかあ~」と酔っ払って不謹慎なことを言っていたアホな私に神様が罰を当てたんでしょうか。

それにしても全く心当たりがありません。

知らぬうちに貰っちゃったんですね。

知らず知らずのうちに見えない魔の手が近づいていた・・・

 

『知らず知らずの魔物がいるぞ』

経営者として長く頑張っている皆さんには次のことは必ず思い当たることがあるのではないでしょうか。

「参っちゃいますよ、新メニューを開発したのでOKを出したのですが、しばらくしたら試食をした時と内容が変わってるんですよ」。

数店舗を展開している社長の言葉です。

試食会の時に決めた商品の付け合わせや盛り付けが現場の人数不足で,効率のために勝手に変えられていたのだそうです。

「信頼していたんですがねえ」。「え、彼が!?」

「新規出店で忙しく、任せていたんですが・・・」。「え、彼が!?」

これはこの3カ月に金銭問題が2件起こった社長との会話です。

「あれ、ここの畳、なんでこんなに毛羽立っているんだろう」。

普段、ミーティングで使用する部屋がふさがっていて、たまたま別の部屋に入った時の社長の言葉です。

まだ、青々と替えたばかりのように見える畳が所々ぼろぼろと毛羽立っているのです。

掃除機のかけ方が、目に沿ってかけられていないのが原因でしょう。

「自分が悪いんですが、苦手なので任せっぱなしにしたせいで、店のブログがもう4ヶ月も更新されていないんですよ。店長には言いましたが、彼も得意じゃないので。お客さんに言われちゃって恥ずかしかったです」。

HPやブログのようなIT関連は苦手な社長の言葉です。

苦手なので手もつけないで過ごしてきた結果です。

「先日、出前のバイクが盗まれました。前は神経質なぐらいに戸締りしていたんですが、何年も何もなかったもんですから」。

1週間後に乗り捨てられているバイクは見つかりましたが、そのあいだは配達ができなくて困ったそうです。

常のことですが経営者はなかなか気を抜けないということですね。

知らず知らずのうちに魔物が近づいてもはじき返せるような管理や仕組みを考えねばいけませんね。

「一回かかればもう免疫ができているからオレは無敵だなあ。ガハハ、マスクもいらないだろう」

と言う石田に、

「バカじゃないの。型が違えば移るのよ!ノー天気ねえ」と偉い人が教えてくれました。

魔物は一匹だけじゃないので、普段から万全をめざせと。

皆さんのお店も知らずの見逃しがありませんように。

ではまた。