石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その七十一

「秋元康さんがそれを食べるだけに韓国に行くらしいですよ。」

「何なのそれ!?」

「タッカンマリ。」

「何それ・・。」

なんてスタッフとの会話がきっかけで、またまた連休を利用してスタッフと韓国に行ってきました。

顧問店の皆さんがメチャクチャ忙しい時がイシダの勉強時間取れるときなので勘弁してくださいね。

さっそく初日に「タッカンマリ」いただきました。

美味しかったですねえ。

非常にシンプルな鶏鍋です。

生後35日の新鮮な若鶏がいい塩加減で味付けされてこれまた絶妙なバランスのスープに入って出てきます。

野菜はまたまたシンプルにネギが浮かんでいるだけ、好みで辛くできるように卓上にはいろいろ調味料がセットされていますがそのまま食べても充分いけます。

2~3人前が800円ぐらいでビール飲んで焼酎2本開けて1人あたり1200円でしたから韓国の庶民の方々が押し寄せているのがわかります。

まだ夕方だというのに満席でした。

メニューもシンプルで商品はそれだけがですから、効率も抜群ですね。

この店チンオクヘ・タッハンマリ以外にもスープに違う特徴を持った繁盛店もいくつかあるようです。

日本で居酒屋や焼き肉店はもちろん、和食料理店も工夫してオリジナルができそうです。

興味ある方はFBAにお問い合わせください。

 

『知らないところで流れる噂・口コミ』

ヒトは、国が変われど、ヒト変わらず、時々油断をする生き物のようです。

タッカンマリの後、地下鉄に乗っているとびっくりの光景に出合いました。

中年のおじさん二人が仲良くぐっすり寝ているのですがしっかり手をつないでいるのです。   

周囲の様子は様々で“クスクス笑っている人”“一瞬見て眼を背ける人”“興味深く眺め続ける人”。

そのうち若い人が写真を撮り始めました。

携帯やデジカメで楽しそうに話しながら撮っているのです。

どうもブログに載せるようです。

明日にはネットの世界できっと面白おかしくお二人は紹介されるのでしょう。

ただすやすやと仲良く寝てるだけなのに・・・。

話は多少違うかもしれませんが、我々飲食店も時々油断がありますよね。

特に裏側にあたる厨房や倉庫そして休憩室や裏口周辺、清掃の問題だけではなくそこでの従業員の行動も含めれば油断だらけかもしれません。

先月ある顧問店社長が昇給の条件に禁煙をあげて実行しました。

「調理人がタバコ吸うのはやっぱり良くない、まして裏口でスパスパしているのをお客様に見られたらみっともないですよ。

頑張っているのは認めたいので昇給してあげたい、だけどお店の売り上げが止まっている今、昇給を簡単にするのもおかしいと思うのです。」

イシダも賛成しました。

飲食店の裏口に吸い殻が散らばっていたり、スタッフがタバコをふかしている姿をあちこちで見かけて違和感があったからです。

知らないうちに油断で起きたことがいつの間にか広がるのが今のネット社会です。

気をつけるに越したことはありませんね。

たくさんの名のある庭がある京都に暮らした詩人の天野忠が

「庭の良し悪(あ)しは、厠(かわや)の小窓からのぞき見すると、よお分かります。

庭が油断してますさかい」といったそうです。

確かに店も庭も、人の目に対して体裁をつけていますね。

ところが裏側まではなかなか気を使わず素の顔が見えてしまう。

油断しているから本性が表れる。

薄っぺらな造りか、本物の店創りか5月のさわやかな天気の時に考えてみるのもいいかもしれません。