石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】その七十二

私ごとで恐縮ですが、母に厚生省から封書が届きました。

結婚前の旧姓の時の年金が支払われていなかったのです。

その期間18年間。

「こりゃ結構な金額になるんじゃないの!?」

計算書を見ると☆○∬万円!

「どっかの元総理だっておかあちゃんから大人になってもイッパイもらっているんだからオイラもちょっとは小遣い貰ってもいいよなあ」とキッチンでつまみを作る家名主様に声をかけたところ、

「くっだらない、はっずかしい、みっともない・・貧乏はいやね」とため息をつかれたので、何も言い返せず、だまって書類を読み進めたのですが、読めば読むほど、だんだん内容が分からなくなってきました。

お役所というのはなんでこうややこしくむずかしい書き方をするのでしょう。

文面には“時効”という文字がやたら出てきます。

「もしかして、貰えないのかも!?」と再び愛妻様に声をかけたところ、

「電話かけて聞けばいいんでしょ、文字見て唸って悩んで・・ああー、くっだらない。貰えるのがはっきりしたら教えてちょうだい」

あら、やっぱり気になるのね、声に出さずニヤリとしたイシダでした。

ただ、貰えなかったら、事業仕分けの関係でイシダの仕事が廃止になった悲劇につづく我が家の悲劇第2弾になってしまい踏んだり蹴ったりです。

う~ん。

 

『今こそ儲かる仕組みの模索』

踏んだり蹴ったりと言えば我々業界も近いものがありますね。

景気もそうですが“家呑み・家食べ”の風潮、少子高齢化の影響、中流意識の崩壊、“孤食・個食化”の食生活、果ては流通大手スーパーなどの過度な安売りなど多くの困難が押し寄せています。

そのような時にそれを押し返すように大慌てで安売り的な客数アップを図る手段を講じる店などもあちらこちらに現れていますね。

その脅威を感じて同じ手段を選ぶ店が更に出てきているのは、イシダとしては困ったものだと思っています。

価格で動くお客様はそのことでしか評価をしないお客様を含んでいます。

そのようなお客様は、店の“思い”を理解しないばかりか技術や努力さえわからないのです。

そのためにきつい労働を強いられることほどバカバカしいことはありません。

それよりも今のやり方でどうしたら経営の安定が実現できるかを考えることだと思うのです。

売上げが悪くていいと言っているのではなく、リストラや無理な経費削減をするような後ろ向きの経営をしろというのでもありません。

効果的な手段の模索をしてほしいのです。

《もっと効果的な仕入れ・もっと効果的なサービス・もっと効果的な新商品・もっと効果的な人員配置・もっと効果的な営業時間・もっと効果的なオペレーション等々》

これらを模索した後に“もっと効果的な販促”を考えれば、今大慌てで動いている連中が疲弊したところへとどめをさすことにもなるのではないかと思うのです。

“思い”だけで行動が行き当たりばったりだと最後は今回の辞任した首相のようになってしまうのです。

思いだけのまじない師では店の病は治りませんね。

ではまた。